Where we belong.=【家を知る・家に住む・この家で生きる】

そして、私たちの「居場所」について。

住まいと空間

平面・立体、デザイン、身体性や居心地の側面から。

【子ども部屋】=最初はワンルームで共用、成長したら仕切る「可変」という考え方。

// 家づくりの際、子ども部屋をどんなふうに計画したらよいのか悩んでしまう、という話をよく聞きます。子どもが独立したあとは物置になってしまった、という話も珍しくありません。子どもにとっても、親にとっても、生涯、無駄にならない子ども部屋にするた…

【設計・プランニング】=家は「買う」ではなく「建てる」つもりで計画する。

// 整理でも整頓でもなく、「編集」という過程を経ることなくして、質のいい結論には至れません。家は買うのはなく、建てる。施主とビルダーとのなれあいではなく、せめぎ合いから生まれる家が、本物。 Contents. 規格住宅と注文住宅の違い 建築と生活を編集…

【災害と住宅】=生き抜くための「バリア」が改善されないままの、日本の仮設住宅。

// 地震、台風、大雨など大きな災害が続く日本列島。その都度、住み慣れた家を失い、生活、介護、子育てなどの場の変更を余儀なくされることがあります。新たな生活の場が快適であればいいのですが、残念ながら、日本の「復興」のなかで、住まいは常に後回し…

【家づくり】=言葉を集めて「暮らし」のイメージを可視化する。

// どんな天才でも少しの努力もなしに、創造の種が湧き出てくることはありません。ひらめくためには、どれだけの素材を有しているか、その素材をどんなふうに料理をするかといったアレンジのノウハウが大事です。家づくりに際しては、情報が多いことに越した…

【寝室】=介助する側の「──しやすさ」を考えることで見えてくる理想の空間。

// ベッド派か布団派か問われると、いまやベッドと答える人のほうが圧倒的に増えています。しかし、ベッドを選択するとおのずと寝室の面積は広さが求められ、そこでの介護を視野に入れると、ベッドプラスαの面積と機能が必要になります。新築、リフォームの…

【転倒防止】=転んでケガをしないための「ぬ・か・づけ」対策。

// 外でも家でも多いのが転倒事故。滑ったり、つまずいたり。さまざまですが、少しの対策、注意で防ぐことは可能です。キーワードは、「ぬ・か・づけ」。濡れているところ、階段、片付け――などですが、日常に潜むバリアを改めて検証。 Contents 横断歩道とマ…

【間取り】=「図面」ではなく「言葉」で空間を言語化する方法。

// 「どのくらいの広さの家が希望ですか」と問われれば、大半の人が30坪とか、35坪とか具体的な数字を出して答えます。「その面積の根拠は」とうかがうと、ほとんどの人が「そんなもんでしょ」とか「以前の家もそうだったので」といった曖昧な答え。ここでは…

【玄関】=幸運を引き寄せるデザインと機能。

// 玄関を入って、土間。高断熱・高気密仕様で大空間にしても温度差はない。欧州ではこの部分だけ床暖房にして、外で濡れた靴を乾かすなどの工夫をすることも。 どんな場所でも整理整頓、清潔に保つことは大切ですが、玄関は特に人が出入りする場所であり、…

【温度・狭さ・動線】=日本の住宅が見落としてきた3つの弱点=バリア。

// 住宅のバリアというと段差解消と手すりの設置くらいしか思い浮かばない人がほとんどではないでしょうか。加齢後、あるいは身体に障害を持って初めて気づくバリアもあります。できるだけコストをかけずに安全な環境をつくることが大切。バリアフリーに関し…

【インテリア/照明】=陰翳を意識することで得られる、時間と空間。

// 日本家屋や身近な漆器,食物などが「常に陰翳を基調とし、闇と云ふものと切れない関係にある」と綴った文豪・谷崎潤一郎。数十年前まで、日本人の暮らしのなかに当たり前に存在した「陰翳」に美を発見し、その価値を世界に知らしめた功績は、海外でも高く…

【キッチン】=「システムキッチン」の「システム」の本当の意味。

// キッチンは主婦の城、と呼ばれたのは昔の話。いまや、家族の数だけ、生活スタイルの数だけキッチンのスタイルがあり、男性も子どもも集うスペースとして大切な空間に変化しつあります。いわゆるシステムキッチンも素敵ですが、自分なりのイメージや作業ス…

【部屋の数と空間の数】=家は「LDK」で考えない。「Room=居室」より「Space=空間」という発想。

// 日本の家はこれまで「LDK」に代表されるように居室=Roomを基本に家づくりを考え、Roomの数で家のステイタスを主張してきました。しかし、小間割りにされた居室の数ではなく、大きめの空間=Spaceで家の有り様を想像してみると、縦にも横にもひろがりが生…

【ドアか引き戸か】=家にドアは1つだけでいい。

// 引き戸は日本で生まれた建具。海外の伝統家屋ではほとんど見かけません。ドアの開閉には一定の力と面積が必要になりますが、指1本でも開けることができるのは引き戸ならでは。設置にも少しの幅があればOK。デッドスペースがありません。車椅子の人でも開…

【吹き抜け】=寒くない、暑くない、メンテナンスも容易な大空間を考える。

// 明るくて開放的。いやいや、寒さが心配。掃除やメンテナンスは――など、家づくりの際に、迷ってしまうのが吹き抜けを設けるかどうか。ひと昔前までは、エネルギーの無駄、寒くてしようがないなど、マイナス面ばかりが強調されていましたが、断熱水準が上が…

【収納】=納める・仕舞う・見せる───「いい・加減」整理。

// 収納。星の数ほどテクニックが紹介されていますが、どんな方法を試しても、なかなか成功しないのはダイエットと同じ。テクニックを学ぼうとするほど「学ぶ」ことが面倒になってしまうのです。私たちは、そんなに我慢強くありません。我が家では、片づけや…

【家庭内事故】=段差だけではない、濃淡・色彩・明暗の「バリア」を見逃さない。

// 視覚障害のある家族のために、動線にLEDを埋め込み、自活性を高めた工夫。 段差の解消はもちろん、「狭さ」というバリアも解消する。明るさの確保もバリアフリーの一つ。 バリアフリーというと段差の解消や手すりの設置などが思い浮かびますが、その人の…

【簡素・省略・余韻】=文章も写真も音楽も空間も、究極のテーマは「余韻」。

プロの小説家はもちろん。著名な研究者や専門分野で執筆機会の多い人でも、腕のいい編集者の手にかかると、2000字を500字くらいに減らしても、十二分に要点を伝達できる文章にできます。それだけ大半の人は、無駄なことを書いているのです。デザインも同じ。…

【茶の間の復権】=「LDK」の空間が、こんなに息苦しい理由。

// 日本の家は「用」を限定しないからこそ、手狭に見えて実は広く、すっきりとした使いこなしがなされてきました。機能よりも「間」=余白や隙間、曖昧さが重視され、そうした感性が家づくりに生かされてきたのです。数ある「間」のなかでも、日本人の原点と…

【小さな家】=小さな幸せの価値が分かる人だけが得られる、この家のかたち。

// どんな家づくりにも予算があります。その予算のなかで、大半の家族が少しでも大きな家をと望みます。しかし、すぐに壁に突き当たり、いくつもの夢を諦めてしまってはいないでしょうか。はじめから、小さな家の選択肢が除外されているのが原因の一つかもし…

【居心地】=家づくり──心地よさをデザインする。懐かしさを取り戻す。

// マニュアル、数値だけで快適な住まいを創ることはできません。居心地のいい空間のデザインには人の記憶、時間の流れまで理解することが求められ、自然とのつながりも無視できません。そうして初めて機能を超えた美しさ、心地よさが体現されるのです。何よ…

【畳】=用と美を兼ね備えた日本の「家具」の原点を再発見。

// 洋風住宅、洋風の暮らしの普及で【畳】のない家が増えています。硬くもなく、柔らか過ぎることもなく、素足に心地よい【畳】は、足に踏まれてもじっと我慢の、日本の家具の原点。高級絨毯もけっこうですが、畳の美しさ、健康効果も確認しておきましょう。…

【インテリア】=「壁面」から攻略する空間コーディネート。

// インテリアと聞くだけで興味はあるものの、何から手を付けていいのかわからなくなってしまいます。もともと日本の住まいには飾りを削ぐことで「美」が醸される文化のなかで、私たちは育ってきたのです。それでも何とか、お洒落な空間にしたい。そんなふう…

【五感と家】=身体が「感じる」ことを信じる。

// 性能や設備の優劣、空間やインテリアの美しさだけではなく、私たちは五感、第六感までも駆使して、瞬間瞬間、家からのメッセージを感じようとします。これから家のことを計画する人は、耐震性、断熱性などに裏付けのある数値を求めることと同時に、数値に…

【生きている空間】=「沈黙」が聴こえてくるような家に住みたい。

// 過剰な情報をもとに、詰め込めるだけ詰め込まれた機能にあふれた家は、饒舌すぎてつまらない。空間にふれることのできる家、沈黙からゆたかさが聴こえてくる家、身を委ねると静かに微笑んでくれる家。そんな家をつくることができたら、どんなに素敵なこと…

【土間】=外でも内でもない家の「余白」。機能を追求しすぎない、ゆたかさもある。

// 外のようで外ではなく、内のようで内ではない。土間は半分外のようで家の「内」にある空間。何にでも使える機能が、日本の住居の「間」のゆたかさです。この曖昧さが日本の伝統家屋の特長で緩衝地帯ともいいます。現代の住宅に生かすヒントを探ってみます…

【空間の重心】=積み重ねてきたことからのみ、醸成されるもの。

// 家とは本来、自分の好きなもの、気持ちのいいものが詰まった空間であるのが理想的です。疲れた身体と心をやさしく包み込んでくれるのは、とっておきの「きれい」の束。気どらず、気張らず、普段着の自分でいながら、日々、「きれい」を感じるために必要な…

【きれいな家】=神は細部に宿る。見えないところまで丁寧に整える、という品性。

// 英語では【God is in the details】。神は細部に宿る、という言葉。フランスの作家ギュスターヴ・フローベールの言葉で、ドイツのモダニズム建築家ミース・ファンデル・ローエが標語として使用していたことから広まりました。文字通り、ディテールを大切…

【動線】=「短く」+「太く」が基本。理想は廊下をなくすこと。

// 家づくりの際、大切なキーワードの一つに動線計画があります。動線とは、文字通り動く、つまり移動するための経路。寝室とトイレが離れている、キッチンと洗濯機置き場に移動するたびに、複数の角を曲がる、などは動線がよくないといういわれ方をします。…

【間取り・設計】=空間は「動線」や「場面」を、「時間」に置き換えて考える。

// 動線から間取りを描くことも一つの方法ですが、さまざまな暮らしの「場面」を「時間」に置き換え、間取りを可視化することも、設計を考えるうえでは大切なことです。時間にも「動」が潜んでいます。 Contents. 間取り図の概念を壊してみる 時間のバリエー…

【空間】=家にも人にも「求めすぎないこと」で得られる「シンプル」の効果。

// 住宅のかたちに左右される生活など、あってはなりません。人間が空間をねじふせながら、いかようにでも使いこなしていく。そんな創造力が住宅と生活の原点です。 Contents. 空間ごとの使用頻度を見極める 最初から空間を間仕切りしない 建築にねじ伏せら…