Where we belong.=【家を知る・家に住む・この家で生きる】

そして、私たちの「居場所」について。

自分で集めた【言葉の束】が、家づくりの【イマジネーション】を喚起する。

 

 

 

 

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どんな天才でも少しの努力もなしに、創造の種が湧き出てくることはありません。ひらめくためには、どれだけの素材を有しているか、その素材をどんなふうに料理をするかといったアレンジのノウハウが大事です。家づくりに際しては、情報が多いことに越したことはありませんが、情報をいかに取得し、等身大のものとして整理できるかがカギとなります。

 

Contents.

 

日頃から情報を整理しておく

仕事に行き詰まったとき、助けてくれるノートがあります。

新聞や雑誌、小説、エッセイなど自分の読んだものから「いい文章だな」「こんこと知らなかった」と思ったり、資料になりそうなフレーズを書き留めたノートです。

 

初めは3号(148×210)、4号(128×182)、5号(105×148)などの小さなサイズを使っていましたが、ふつうの大学ノートも使います。

全部まとめると40-50冊ほどになります。

いまも2カ月に1冊くらいの割合でノートがメモで埋まってしまいます。

 

どんな本でも、右手に鉛筆を持ち、線を引きながら読んでいます。

楽しみのための読書はできず、何を読んでも、ここぞと思ったとろこには線を引き、付箋をつけ、それでも足りない部分をノートに書き留めます。

 

新聞や雑誌は、数行のフレーズを切り抜き、セロハンテープで貼ったりもしましたが、自分の手を動かし書き留める作業をしないと、あたまに入ってきません。

 

手は脳につながっているようです。

 

こうしてできあがったノートは、世界に一つだけのもの。

自分にとっては、財宝がたくさん詰まった、かけがいのないものとなっています。

 

行き詰まったときには、どれか1冊開くだけで、そこに自分が拾った言葉が、キラキラ光って並んでいます。

  

そのまま盗むことはできませんから、眼に入ったフレーズからイマジネーションされた言葉を選んだり、少しひねって書き直します。

 

自分にとっての言葉のメモは、イマジネーションを喚起させる材料といっていいでしょう。

 

こうした作業をするのは、自分に才能がないからであって、安易に人さまに勧められることではありません。

あくまで私なりの方法です。

 

家のプランニングの際にも、その人(施主でも設計者でも)がどれだけ優れたものを数として自分のなかに取り込んできたかが、必ず、結果として現れると信じています。

 

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等身大の情報を手づくりする

骨董屋さんのご主人に聞いた話です。

その世界の修業は「いかに、いいものだけをたくさん見るか」に尽きるそうです。

 

「偽物、悪いもの、程度の低いものに関心を示してはいけない」

との言葉が印象に残りました。

 

一流のものを見たり、聞いたり、ふれたりすることの積み重ねが、何かを決めたり、判断したりするときに、同じ悩むのでも高いレベルで悩むことができるというのです。

  

インターネットで「住宅」や「家づくり」を検索すると、数百万件の結果が出てきます。

これだけの情報量から、自分に必要な情報を見極め、整理するのは至難の業。

情報を見極めるためには、まず本を読むこと、現場を見ることが大切です。

そうでもしないと、比較するものがありません。

 

そうした作業を続けていくと、やがて勘のようなものが働くようになります。

第六感かもしれません。

 

今度は、自分がピピッときた情報だけを、再度、スクラップでもノートでもメモでまとめてみます。

こうしてフィルターが重層化することで、情報の純度はさらに高まります。

 

そうして集まったのが、自分に見合った等身大の、情報の塊です。

 

ほかの人、ほかの情報と比べる必要はありません。

自分にとっての家なのであり、衣服のセンスや読む本の趣味が違う他人と比べること自体、意味をなさないのです。

 

性能でもインテリアでも間取りでも、家具、小物でも、自分の掌中にある情報量に比例して、気が付くと、レベルの高い選択眼が養われているはずです。

 

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1坪削って世界の建築の旅を

いま、私が住宅を建てるとしたら1坪を削って、その分、一流の建築を見るために世界を旅をします(30年前の家ですがリノベーションをしましたので、新築の予定はありません)。

 

1坪=数十万円削ることで夢も削られそうですが、面積などはたいした問題ではないのです。

 

例えば、観葉植物を空間の真ん中にぽつんと置くだけでも、距離感が違って見えるように、畳2枚分など、デザイン次第でいかようにもなります。

どうしたら空間がゆたかになるのかを考慮せずに、広さだけを求めていくと必ず貧相な空間になるでしょう。

 

夫婦2人で行っても50万円もあれば、1-2週間の北米旅行か欧州旅行が可能です。

建築探訪。

考えるだけでワクワクします。

 

ヨーロッパで見たいのは「窓」。

どんなデザインの窓が、どんなふうに使われ、窓周りの装飾はどんなふうになっているかを徹底的に見学します。

 

私たちのDNAには、引き違い窓しかありませんので、欧米で見学する窓はどれも興味があります。

美しい窓が、美しい街並み、都市景観を形成していることに気づくはずです。

 

アメリカでは、家そのもののデザイン。

2×4の多い国ですが、同じ木造でも、どうしてあんなにスマートなデザインができるのか。

 

壁、屋根、窓、深い軒など、北米住宅ならではのチェックポイントはいくらでもあります。

特に平屋の家のフォルムの美しさといったら。

現在の日本の住宅は、100年前の彼らの建てた住宅の美しさと勝負できるでしょうか。

 

ドーマーもきれいです。

半地下や車庫も見てみたい。

あんなにシンプルなのに、さりげなく表現できるなんて、すごいです。

 

アメリカでは書店で間取り集やデザイン集がたくさん販売されています。

書籍を集めるための旅だけでも価値があります。

 

ホームセンターに行くと、誰でも家一軒建てられる材料が揃っています。

細かく見学する時間があってもいいでしょう。

 

シェーカー教徒の共同体(ニューヨーク州、メイン州など)を訪ね、彼らの手づくりの住まい、家具をじかに見学するのも夢です。

19世紀と変わらない生活を送る彼らのストイックなデザインは、かつての日本家屋に共通する美しさ、嗜みを感じます。

 

往復を関空経由にすると、帰途、京都や奈良によって、日本の伝統建築を再確認できます。

ちょっとだけ足を伸ばして滋賀・近江八幡まで行けば、尊敬するヴォーリズが手がけた家も残っています。

 

 

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自分の背丈くらいの本を読め

尊敬するA教授は、「1つの分野に入門するには、まず、自分の背丈ほどの本を読みなさい」と教えてくれました。

 

その教えを守り、その倍の資料を読み込み、メモをとり、何冊もの本を編みました。

が、残念なことに、いまだに何かがわかったなどとはいえない未熟さ、稚拙さを抱えたままです。

 

「これは確かだな」と思ったことだけを、こうして書き連ねているのですが、まだまだお伝えしきれません。

 

本を読んだうえで、あるいは読書と並行して旅をするなど現場を踏むことで、情報は立体的になり、その数分の1は自分の血肉となります。

 

数千万円を投資する、人生で最大の買い物といわれる住宅建築には、これくらいの投資は惜しむべきではありません。

 

ブログの世界を見渡しますと、情報=解答がすぐに手に入るサイトが人気です。

すぐに答えが得られないサイト、ブログは価値がないと考えられているのかもしれません。

 

しかし、誰かにとっての成功事例は、あなたを成功に導く素材になるとは限りません。

よく見かける(企業の実名を出して)D社がよいか、E社がよいかといった選択も大きなリスクをはらみます。

100%同じ材料を使っても、現場の職人、現場監理の力量で、断熱性能も気密性能も全ての仕上がりが、大きく異なります。

 

すぐに答えを求める、得るなんて、もったいない話。

 

苦しんで、もがいて、読んで、歩いて、蓄積、分析し、解決できないものは諦める。

しかし、それでも前を向き、何かを求めていく繰り返しだけが、私たちを成功に導きます。

 

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www.ienotomo.com

 

  

まとめ

 1.言葉のメモはイマジネーションを喚起させる材料。どれだけ優れたものを数として自分のなかに取り込んできたかは、必ず、結果として現れる。
 
2.「いかに、いいものだけ見るか」。一流のものを見たり、聞いたり、ふれたりすることの積み重ねが、何かを決めたり、判断したりするときにも高いレベルで悩むことができる。
 
3.1坪削ったつもりの予算で、建築探訪。本を読み、現場を歩いて培った知見は必ず家づくりを支える素材となる。
 
4.「1つのことを成し遂げるには、まず自分の背丈ほどの本を読みなさい」という教えの実践。
 
5.数千万円を投資する人生で最大の買い物=家づくりには、これくらいの知的投資は当然といえます。

 

 

おすすめ図書

「いい子」を育てる教育に熱心な社会では、子どもが創造的であろうとすることさえ悪とされることがある。しかし一方では、理屈ぬきに絶対に許されない悪もある。生きることと、悪の関係を考えるのは容易なことではない。「いじめ」「盗み」「暴力」「うそ」「大人の悪」など、人間であることと深く関わる「悪」を斬新な視点から問い直す(「BOOK」データベースより)。

 

表紙がぼろぼろになるまで、何度も読み返した1冊です。

何度も読んだからといって、内容の深いところまで理解できたわけではありません。子どもがわからなくなったときは、私たち大人も、自分を見失っているときでもあります。わからなくなるたびに、すがるようにして、この本を開きました。

 

子どもの世界で頻発する「いじめ」「盗み」「うそ」.。

これらは全て、私たち大人が成熟した人間として、親として、子どもと向き合うための試金石。

困った場面ではその都度、試されているな、と思わされることがあります。

 

子どもに向き合うと同時に、自分自身に、問いかけます。

そんな半端な気持ちで、周りの人間に、ましてや子どもに、向き合っていていいのか。対象からではなく、自分の内奥から聞こえてくる声に耳を澄まし、正面から向き合います。

 

子どもは常に、私たち大人に問いかけながら、目の前に、仏のように立ちすくんでいるようです。

 

 

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