言葉と旅と本
// もっとほしい。もっと生きたい。もっと前に。もっと大きく。人生は限界、締め切りだらけなのに、私たちはいつも「もっと」を望みます。何かを「しない」ことは罪悪なのでしょうか。人生にもいつか終わりが訪れます。その締め切りを意識すること、しないこ…
// 思考があって言葉があって、行動になる。うなづけます。以前も「性格は『顔』ではなく短い『言葉』に――」で自分と照合してみましたが、なるほどと思うところが多々ありました。自分なりの統計や考えと照らしてまとめてみました。 Contents. 1.心の状態は…
// 飽食の現代からさかのぼること数百年、数千年前から、過食の弊害が指摘されてきました。自分の健康だけではなく、異国の子どもたちの成長や海や大地、空までも美しく保つ【食】の影響、そしてその節制について。 Contents. 日本の主食はトウモロコシ? 大…
// 家は二、三度ぐるぐる回ってゆっくりと宙に昇ってゆきました。ドロシーは風船の中で昇っていっているような感じがしました――そして、ドロシーの旅が始まります。旅の終わりには、あまりにも有名なあのフレーズ。ドロシーが帰りたかったのは故郷や家、家族…
// 私たちはいつも、ここで生きながらどこかを求め、誰かといながら孤独を感じています。あなたのほんとうの居場所は、と問われて黙り込んでしまう人は、いったい、どれくらいいるでしょう。そんなときに、闇に覆われた心にぽっと灯りをともしてくれるのが「…
誰かと話をしたいという気持ちの根底には、自分の話を聴いてほしいという願望が潜んでいます。しかし、わずか3分でも、相手から何のコメントもなく、自分の話を聴いてもらったという経験を持つ人はどれくらいいるでしょう。3分間、自分の意見を述べず、徹…
// 読書の際、気になった文章は2Bの鉛筆で線を引きます。すごい話だ、上手な表現だなあと思った部分が多いときには、ページの端を折ります。ですから、書棚にある本は全てボロ雑巾みたいになってしまいます。読み終えると、線を引いたり、端を折ったページ…
// 影はしばしば、私たちが願う方向とは逆に作用し、自我との対決を迫ります。その対決は、生死をかけた過酷な戦いとなることもありますが、それが導きとなり得ることは少なくありません。影のないところに光はなく、光のあるところには必ず影があります。そ…
// いやなことがあると落ち込みます。いいことがあるとうれしい。よくても、悪くても、私たちは、その折々で置かれている状況だけを見つめて、揺れています。意地をはったり、嫉妬をしたり、恨んだり、怒ったり。分かっていても、やめられない。この問題、苦…
// アンネという言葉を目にしたり、耳にするだけで、胸が苦しくなり、少しだけ暖かくなります。極限ともいえる恐怖のなかにあってもなお、日記を綴り、言葉の中に、夢を描き続けた少女。彼女のことを思い起こすたび、人間の持つ可能性と、恐ろしさを同時に感…
// 放っておくと身体も脳も心もずっと動いています。少し落ち着こうと、その場で座って、目を閉じ、呼吸を深くします。でも、わずか3分でも、そうするのが難しいのです。私たちは自分の意志で、短い時間すら、自分をコントロールできなくなりつつあります。…
「ぼくを探しに」(講談社)という絵本が デスク脇の書棚にある。 いつも、手の届きやすいところに置いてある。 シルヴァスタイン作・倉橋由美子訳。 もう何年も前の誕生日に、娘からプレゼントされた本である。 何かが足りない。 楽しくないと思った「ぼく…
「星の王子さま」の著者による自伝的作品。訳者は明治から昭和にかけての 詩人、歌人、フランス文学者でもある堀口大學。 読みやすいとはいえないが、著者の美学を格調高い日本語に転換し、 遺伝子と文化のバリアを研ぎ澄ました感性で突いてくる。 解説は、…
// モノを持ちすぎない、リサイクルを徹底する、ミニマリストへの憧憬。人とモノとの関係は暮らしとゴミの関係に直結します。ご近所のおじいさん、毎日、愛犬との散歩の途中でゴミを拾っていることに気づきました。小さなことでも、自分にできることから黙々…
// 何百と観た映画の中でベスト1を挙げるとすれば、迷うことなく、この映画を挙げます。本や映画の好みは、その人がそのとき、置かれていた環境や思いに大きく左右されるだけに、安易に人に薦めることは避けてきました。それでも、お薦めしたい珠玉の1本と…
本棚の奥から引っ張り出してきたちょっと埃の被った宮沢賢治全集Ⅰ(ちくま文庫)。 ここ数日、改めて『春と修羅』を読み耽る。 長い間、難解だと思い込んできた言葉の束が、実はとても平易な表現でこの人の宇宙観を語っている。そんなふうに肩の力を抜いて、…
ビデオでもテレビの録画でも、何度も観てきた映画「レ・ミゼラブル」。リーアム・ニーソン主演の作品がいちばん好きです。 どの作品でも、原作の最終章にある「お前が幸福の中で持っているものを、(お母さんは)不幸の中で持っていた」(佐藤朔訳)の台詞が…
初めて訪れた場所なのに、いつか来たことのある、見たことのあるような感覚。初めて会ったのに、ずっと昔に会ったことのある、そんな感覚をデジャ・ヴュといいます。日本語では「既視感」と訳されますが、訳語の「視」は、いずれも視覚を意味するものの聴覚…
広告会社に勤める友人から「営業戦略十訓」なるものを教えてもらったことがあります。「消費は美徳」の時代は、すでに原始時代の格言。「消費しない十訓」の実践を考えます。 ●「営業戦略十訓」 1.混乱をつくる。 2.捨てさせる。 3.無駄遣いさせる。 4.季節…
高校時代のことでした。クラスメイトの一人が「100年カレンダー」を家から持ってきました。その名の通り、100年分の毎月の暦です。 大きさはふつうのポスターほど。床にひろげられたカレンダーを「へえ」「ほお」と数人がのぞき込む。が、ものの10秒もたたな…
漢字もひらがな、カタカナも、もとはといえば縦書きで記されることを前提にデザインされた文字です。しかし、このブログがそうであるように、いまや日本人の誰もが横書きでメッセージを表わす時代。日本語の原点を辿ると…。 Contents 横書きを避けてきた理由…
建て替えか、リフォームか、リノベーションか。古くなった自宅をどうするか迷う人は少なくありません。 数十万円単位のリフォームを 30年間繰り返し、振り返ると2000万円以上を費やし 結果として建て替え。 新築費用としてさらに3500万円、という人がいまし…
ムーミンがいちばん苦手なことは「ひとりぼっち」。やさしいパパやママ、仲間たちと一緒に、ムーミンはいつも冒険を楽しみます。フィンランドの国民的作家であり画家でもあるトーベ・ヤンソンが、私たちに伝えたかったこととは。 Contents. トロールの伝説を…
// 絵本を読む時間は、マンガをめくるときに流れる時間とは少し異なります。人生の中で絵本にふれる時間は、他の書籍やメディアに比べると、圧倒的に少ないことがわかります。だからこそ、大人になっても子どもの本や絵本にふれることが大切なのかもしれませ…
// 本好きの人は少なくありません。新築やリフォーム時には、自分の書斎をつくり、本棚を設け、毎日本を眺めながら暮らしたいと望む人も多いことでしょう。しかし、本来、本を読む目的は、暇つぶしや量を集めることではなく、生きる術(すべ)を学び、人生の…
// 絵本作家として活躍し、92歳で亡くなるまで自然に寄り添った生活を慈しんだターシャ・テューダー。まるで絵本の世界に迷い込んだような18世紀風のコテージは、NHKのドキュメンタリーや映画などですっかり有名になりました。女手ひとつで4人の子供を育て…
// 建築写真。いろんな撮り方があります。今回、おすすめしたい写真は、薄暮(トワイライト)タイムの住まいの表情。「マジックアワー」や「ブルーアワー」と呼ばれますが、青や藍がきれいなことから、ここでは「ブルアワー」とします。構図などは【撮影】の…
// 新築やリフォームの完成時に、記録として写真に残しておきたいという人は少なくありません。ビルダーから撮影の依頼があった際、私は必ずビルダー用のデータとプリントとは別に、施主の記念用にとDVD1枚とフォトブックをセットで納品するようにしていま…
// このブログでは繰り返し、家や暮らしを、ビジュアルではなく「言葉」で考えることの大切さを述べてきました。特に、失敗の少ない家づくりのためには、どれだけ多くの「言葉」を自分の内側から拾い集めたかで決まるといっても言い過ぎではありません。私た…
// ソローはいいます。「質素な生活こそが、贅沢な生き方」。お金や便利さだけを望んでいるわけではないのに、人間は、どうしてそんなにあくせく暮らすようになったんだろう。そんなふうに、森の中で思索を続けるのです。170年以上も前、いまと比べ何もない…