Where we belong.=【家を知る・家に住む・この家で生きる】

そして、私たちの「居場所」について。

住まいと文化

伝統と文化の視座から考える住まいと人の関わり。

照明・インテリアの基本は「闇」の演出。陰翳を意識することで、空間が艶やかに見えてくる。

// 日本家屋や身近な漆器,食物などが「常に陰翳を基調とし、闇と云ふものと切れない関係にある」と綴った文豪・谷崎潤一郎。数十年前まで、日本人の暮らしのなかに当たり前に存在した「陰翳」に美を発見し、その価値を世界に知らしめた功績は、海外でも高く…

日本人特有のボーダー感覚「結界」の応用で、家づくり=空間の考え方を根本から変える。

// 紙や布1枚、あるいは縄1本で世界を隔てる「結界」。この感覚は、おそらくは日本人ならではのもの。俗と聖を分離するのみならず、建築の世界、私たちの日常でも、当たり前のように応用されていることに気づきます。 Contents. 紙や布1枚で世界を隔離する…

炎と神様と家族との深い関係、くつろぎの道具としての【火】の効用について。

人類が初めてエネルギーとしての【火】を利用するようになったのは、いまから約50万年前のこと。暖かく、煮炊きもできる【火】はやがて、暮らしに欠かせないものとなり、その【火】を雨風から消さないために屋根ができ、囲いが工夫され、家の原型ができまし…

Simple=シンプルな家や暮らしは、そう簡単に具現できるものではないという思い。

// 芸術は【引き算】から生まれる、といわれます。建築、文章、写真、家づくりにも同じことがいえそうです。毎日の仕事、家事だって、引き算の繰り返し。過剰さで価値を計るのではなく、無駄を省き、主題を浮き彫りにすることは至難の業です。そのあとに【余…

間取りが先が家具が先かで考えると、家具を決めてから空間計画をした方が得策という結論。

// 家を建ててから、少しずつ家具を買い揃えていく。家の計画と同時進行で、購入する家具も検討する。これまで、家具が最小限で済んだ日本家屋で育ってきた私たちは、家具の選択が苦手なのです。しかし、暮らしも住まいも、洋の佇まいが主流となってきました…

繰り返し本を読むこと=再読は記憶をリサイクルし、人生を支える「物語」を創ること。

// 本好きの人は少なくありません。新築やリフォーム時には、自分の書斎をつくり、本棚を設け、毎日本を眺めながら暮らしたいと望む人も多いことでしょう。しかし、本来、本を読む目的は、暇つぶしや量を集めることではなく、生きる術(すべ)を学び、人生の…

音、【noise】と聞くか【message 】として捉えるかの選択。

// 私たちは、この世界を身体や心で瞬時に感じられる感覚を得て生まれてきました。代表的なものが、いわゆる五感と呼ばれる感覚です。しかし、同じものを見たり聞いたりしても、捉え方は人によってさまざま。目の前にあるものを、どう捉え、何をイメージする…

少しの工夫でプロ並みの建築写真。

// 新築やリフォームの完成時に、記録として写真に残しておきたいという人は少なくありません。ビルダーから撮影の依頼があった際、私は必ずビルダー用のデータとプリントとは別に、施主用の記念用にDVD1枚とフォトブックをセットで納品するようにしていま…

「用いてはならない」けれど、覚えておいて損はない【尺貫法】や杓子定規の話。

// 考え方にも物差しがあるように、人の視野、ものごとの捉え方にも、その人ならではの定規があります。人間関係には、少々やっかいな杓子定規でも、家づくりには欠かせません。日本の寸法、モジュールについての短いお話。 いまも建築界の常識「尺貫法」 長…

箸の使い方一つに美学を求めた日本人と、これからの隣国との関係。

// 子どもの頃から、箸の使い方には、とりわけきびしく躾けられてきました。裕福な家ではなかったからこそ、食卓での作法くらいは、という父の考えだったのかもしれません。同じ箸を使う文化でも、お隣の韓国とでは少しマナーが異なります。単純な「違い」の…

「節水」を通して見えてくる日本人と環境、文化、健康との深い関わり。

// 日々の生活ではいうまでもなく、宗教や文化の面でも、水との関わりを大切にしてきた日本人。きれいな水が大地を潤し、食材を育て、街をつくり、健やかな人を育んでもきました。しかし、水と空気はタダだと思っているのは、どうやら日本人くらいかもしれま…

食事も暮らしも「腹七分目」で起きる素敵な奇跡。

// 日本には古くから「腹八分目」という言葉があります。何事も、ほどほどのほうがいい結果を招く、少食が健康を保つなど、短いその一言に哲学さえ感じます。最近は「腹七分目」が健康だけでなく、長寿のもとになるとの説が相次いで発表されています。 Conte…

曖昧でしなやかな本と建築について。

// 家づくりの際、機能や目的を追求し過ぎると、いつしか身体も心もこわばってしまいます。思考が型にはまり、身動きできなくなくなることも。理想の体現も必要ですが、曖昧な空間に身を委ねてみることも大切です。グラデーションに内在する色を楽しみ、大き…

家の囁き=音や言葉を介さない美しさについて。

// Contents 家からの声に耳を澄ます 余白の感じられる家がいい 一輪の花に宿る宇宙 見えないことで描かれる輪郭 Active white spaceの効能 主張を抑えた静けさに宿る【美】 家からの声に耳を澄ます 取材や撮影でおじゃまする家が、年間、50軒ほどだった時期…

ガラクタは礼をもって捨てるべし。

// 収める、整理する、片付ける。わかってはいますが、それができないモノとのつきあい。捨ててしまえば済むのでしょうが、それができないのです。捨てられない、片付けられない気持ちの心理、ガラクタと化していくモノたちが人生に与える影響。 Contents 10…

人と家と街と、音の間にあるもの。

// 目で見て、耳で聞き、肌でふれる。味覚や臭覚を含め、私たちは、常に五感を駆使して、目の前の現実を捉え、リスクを回避しながら生きています。なかでも「音」はときに視覚以上に動作や意思決定に影響を与え、長い時を経てもなお記憶に刻まれます。懐かし…

横書き・縦書き・家づくり、それぞれの違和感。

// 漢字もひらがな、カタカナも、もとはといえば縦書きで記されることを前提にデザインされた文字です。しかし、このブログがそうであるように、いまや日本人の誰もが横書きでメッセージを表わしている時代。日本語、編集の原点を辿ると、家づくりにも意外な…

トイレ掃除をしても運気は上がらないという証拠。

// 神様がいる。掃除をすると運気が上がる。金運、強運、何でも期待できる。トイレ掃除には、なぜか、スピリチュアルな言葉がついてまわります。それだけアンタッチャブルな空間といえるのかもしれません。トイレに関する、けっして汚くはないお話のあれこれ…

ちょっとだけ正座。

// 正座というと、しびれる、膝が痛いなど、あまりいいイメージがありませんが、腰痛改善や睡眠の質の向上、産後の体力回復など、さまざまな効果があります。ヨーガのポーズの一つでもありますが、意外にも、日本での正座の歴史はまだ100年程度。痛くない程…

漆器、日常使いの贅沢。

// 英語で「japan」と訳される日本の伝統工芸品「漆」。世界から垂涎の的とされる漆の器を日常使いにする歓びは、ひとしおです。伝統の「用と美」を創る職人の世界。 木地師と塗師の手業 漆を塗った器を漆器といいます。 その漆器を作る職人さんの話をうかが…

小さな家を建てる意味。

// どんな家づくりにも予算があります。その予算のなかで、大半の家族が少しでも大きな家をと望みます。しかし、すぐに壁に突き当たり、いくつもの夢を諦めてしまってはいないでしょうか。はじめから、小さな家の選択肢が除外されているのが原因の一つかもし…

【ファインダー・24㎜・5万円以下】のカメラ選び。

// スマホで簡単に写真が撮れる時代。でも、画角や画質、ノイズなど細かなところでは、まだまだカメラの性能に軍配があがります。もう少し本格的に写真を撮りたい人のために考えたのが【ファインダー・24㎜・5万円以下】という3つのキーワード。写真は記憶…

災害と本と言葉と祈り。

// 地震、水害など、大規模な災害が起きるたび、自分には何ができるだろうかと考えてしまいます。しかし、ボランティア、募金など、すぐに行動を起こせる人ばかりとも限りません。いま、この場でできることを考えてみました。 被災地で歓迎された「本」 東日…

余白の美、沈黙、あるいは「間抜け」。

// スケジュールが埋まっていないと不安でしかたがない日々。日々の暮らしはモノに囲まれ、都市にも地方にも隙間がなくなり、隙間や余白が罪であるかような家やインテリアが主流です。私たち日本人は、何もない「間」に宇宙を感じ、沈黙に言葉を聴き、「余白…

職人さんの仕事を受け継ぐ意味。

// 大工さんが入る前の職人さんたち 家をつくるのは大工さんというのが、私たちのイメージです。 が、家づくりには、いくつもの分野の職人さんたちの技術が駆使され、集積されています。 既存の家を解体するのは解体の専門業者さんがいて、地盤調査も大工さ…

誰にもわからない「坪単価」。

// 計算次第で高くも安くも チラシでよく目にする「坪単価」。 「坪単価で家の値段を判断してはいけません」と、あちこちで書かれているにもかかわらず、ついつい業者さんに「おたく、坪、ナンボですか」と聞いてしまう「坪単価」。 ご存じのように、1坪(…

犬とおじいさんのエコロジー。

// リサイクルは突き詰めない 外で飲むときには、ビール、そのあと焼酎のお湯割り。家では食事と一緒にワインか日本酒(純米酒)をグラスに1杯ほど。 ワインや純米酒というとカッコいいのですが、紙パックか2リットル瓶の大きなものを買い置きしています。…