// 光にも陰にも階調があります。色合い、光度は一定ではなく、無限のグラデーションの中に無限の美しさが潜んでいます。絵画や写真、文章、そして建築にも【陰翳】の演出は欠かせません。 Contents. 線で形を描くことの難しさ 無意識でも眺めている輪郭 無…
// 外でも家でも多いのが転倒事故。滑ったり、つまずいたり。さまざまですが、少しの対策、注意で防ぐことは可能です。キーワードは、「ぬ・か・づけ」。濡れているところ、階段、片付け――などですが、日常に潜むバリアを改めて検証。 Contents 横断歩道とマ…
// 外断熱と内断熱。どちらが優れているか。かつて、こういう議論がありました。正確にいうと、住宅建築の場合、外断熱、内断熱という言葉は使いません。マンションやビルなどコンクリートの建物に使用されるのが一般的で、住宅の場合は外張り断熱・充填断熱…
// 元宝塚歌劇団宙組トップスター貴城けいさんが、著書『宝塚式「ブスの25箇条」に学ぶ「美人」養成講座』(講談社)で発表し有名になった、ブスにならないための法則のあれこれ。歌劇団の人なら誰もが目にする場所に貼られていたといいます。「ブス」は女…
// どんな場所でも整理整頓、清潔に保つことは大切ですが、玄関は特に人が出入りする場所であり、運気も出入りする場所。人にとっても、運気にとっても、不潔な玄関に好感を覚える人はいないはずです。 Contents. 玄関は引き戸かドアか 靴を揃えると清々しい…
// 風景にデジャビュ=既視感を感じることがあるように、ある音から、突然、遠い記憶が呼び覚まされることがあります。しかし、現代の家のなかで響く音は機械音が増え、人が手間をかけてつくる「音」が少なくなってきました。 Contents. 目を覚ましてくれる…
// 考え方にも物差しがあるように、人の視野、ものごとの捉え方にも、その人ならではのものさし=定規があります。人間関係には、少々やっかいな「杓子定規」も、家づくりには欠かせません。日本の寸法、モジュールについての短い話。 Contents. いまも現場…
// いよいよ本格的な夏。エアコンをフル稼働させる前に、どこの家にでもある古い扇風機を使って、光熱費削減にトライしてみませんか。一日中つけていても、電気代は10円ちょっと。設置する位置や風の角度で、そのまま使っても、エアコンとの併用でも、お部屋…
// スケジュールが埋まっていないと不安でしかたがない日々。日々の暮らしはモノに囲まれ、隙間や余白が罪であるかような家やインテリアが主流です。私たち日本人は、何もない「間」に宇宙を感じ、沈黙に言葉を聴き、「余白」に映像を観る文化を育んできまし…
// Contents. ミュウという鳴き声 時間が消えそうな日 かけがえのないもの ミュウという鳴き声 鈍色の低い空を仰ぎ、舞い降りてくる雪の欠片を眺めていると、遠い記憶にたどり着きます。 ミルフィーユのように幾重にもなった記憶の皮膜を一つずつ剥がしてよ…
// どこかに帰りたい。ふと、そんなことを想う瞬間があります。私たちの帰属すべき場所や時間が、私たち自身の内側の知らないところに、刻まれているに違いありません。家の性能も大事なことですが、私たちがほんとうに大事にすべき場所と時間を考えます。 C…
// マニュアル、数値だけで快適な住まいを創ることはできません。居心地のいい空間のデザインには人の記憶、時間の流れまで理解することが求められ、自然とのつながりも無視できません。そうして初めて機能を超えた美しさ、心地よさが体現されるのです。何よ…
// 新築が伸び悩み、リフォームやリノベーションが急増しています。しかし、新築に比べコストが割安という理由だけで、見た目優先の改修をしてしまうと、家や人の健康に影響する事態も起きかねません。リフォームは、壁や基礎までチェックする絶好の機会。合…
// キッチンは主婦の城、と呼ばれたのは昔の話。いまや、家族の数だけ、生活スタイルの数だけキッチンのスタイルがあり、男性も子どもも集うスペースとして大切な空間に変化しつあります。いわゆるシステムキッチンも素敵ですが、自分なりのイメージや作業ス…
// 新築を計画するとき、家族一人ひとりが真っ先に考えるのが、自分の居場所。しかし、私たちは居場所を間仕切りされた個室空間と考えがちですが、個室ばかり並んでは、予算はいくらあっても足りません。私たちがほんとうにほしいのは、個室なのか、家族とい…
// 住宅のバリアというと段差解消と手すりの設置くらいしか思い浮かばない人がほとんどではないでしょうか。加齢後、あるいは身体に障害を持って初めて気づくバリアもあります。できるだけコストをかけずに安全な環境をつくることが大切。バリアフリーに関し…
// 老いた親と実家。この二つにどう向き合うかは、誰にでも避けては通れない課題といえます。いつまでも両親二人で、あるいは一人暮らしをさせておくこともできず、同居もしくは施設入居となれば、実家は即、空き家となってしまいます。空き家を抱えた地域は…
// 「どのくらいの広さの家が希望ですか」と問われれば、大半の人が30坪とか、35坪とか具体的な数字を出して答えます。「その面積の根拠は」とうかがうと、ほとんどの人が「そんなもんでしょ」とか「以前の家もそうだったので」といった曖昧な答え。ここでは…
// 同じ建築でも日本と諸外国とでは、線一つの扱い方やそれに求める文化的な意味、価値観が大きく異なります。伝統建築はもちろん、住宅などの一般建築でも、少し角度を換えて「線」を眺めるだけで、新たな発見がいくつもあるはずです。もちろん、家づくりの…
// 日本の家はこれまで「LDK」に代表されるように居室=Roomを基本に家づくりを考え、Roomの数で家のステイタスを主張してきました。しかし、小間割りにされた居室の数ではなく、大きめの空間=Spaceで家の有り様を想像してみると、縦にも横にもひろがりが生…
// 誰もが老いて、やがて死を迎えます。その過程に医療ががり、介護があり、それぞれに在宅、施設・病院など最期の「場」があります。終末期、その先に見えてくる「死」をどう捉え、迎え、受け入れていくか。場はどこか。そこには、本人と家族の意志、覚悟が…
// ムーミンがいちばん苦手なことは「ひとりぼっち」。やさしいパパやママ、仲間たちと一緒に、ムーミンはいつも冒険を楽しみます。フィンランドの国民的作家であり画家でもあるトーベ・ヤンソンが、私たちに伝えたかったこととは。 Contents. トロールの伝…
// 家づくりの際、機能や目的を追求し過ぎると、いつしか身体も心もこわばってしまいます。思考が型にはまり、身動きできなくなくなることも。理想の体現も必要ですが、曖昧な空間に身を委ねてみることも大切です。グラデーションに内在する色を楽しみ、大き…
// 家にも衣服にも気候があります。暑い季節は涼しく、冬は少しでも暖かく。住まいは人を守る皮膚であり、衣服であり、シェルター=器としても、多くの機能を求められます。いわば第3の皮膚。寒さから人を守り、健康にダメージを与えない暖かさがほしくなる…
// ベッド派か布団派か問われると、いまやベッドと答える人のほうが圧倒的に増えています。しかし、ベッドを選択するとおのずと寝室の面積は広さが求められ、そこでの介護を視野に入れると、ベッドプラスαの面積と機能が必要になります。新築、リフォームの…
// 人を変えようと思っても自分がつらいだけ。家族に関しても同じことがいえそうです。人との関係改善の最大のコツは、まず、自分が変わること。他者は変えられませんが、自分だったら、いま、ここで、すぐに、変わることができます。気が付くと、家族との関…
// 日本家屋や身近な漆器,食物などが「常に陰翳を基調とし、闇と云ふものと切れない関係にある」と綴った文豪・谷崎潤一郎。数十年前まで、日本人の暮らしのなかに当たり前に存在した「陰翳」に美を発見し、その価値を世界に知らしめた功績は、海外でも高く…
// 在宅介護の先に見えてくる、老いと死。国はすでに「在宅看取り」の定着に大きく舵を切っています。家族に迷惑をかけたくないからという理由で病院を選択しても、それができない時代がやってくるのです。介護も看取りも住み慣れた我が家でできるのが理想。…
// 私たちは、日常の大半をおびえながら生きています。きびしすぎる自己評価、気になって仕方のない他人からの評判、怖れ、悲しみ、焦り、不安――それらの気持ちは、自らの創造性をせき止めることにもつながりかねません。私たちの中に潜在する否定的な思いを…
// 日頃、当たり前のように使っていますが、引き戸は日本で生まれた建具。海外の伝統家屋ではほとんど見かけません。ドアの開閉には一定の力と面積が必要になりますが、指1本でも開けることができるのは引き戸ならでは。設置にも少しの幅があればOK。デッド…