Where we belong.

家を知る・家に住む・家で暮らす、そして私たちの居場所について。

本棚の整理は「再読」から始める。

 

 

 

本棚
 

 

蔵書がカビだらけになる理由

本好きの人は少なくありません。

新築やリフォーム計画時には、自分の書斎とまではいかなくとも、できるだけたくさんの書棚を設け、毎日本を眺めながら暮らしたいと望む人もたくさんいます。

 

書棚をたくさんほしいという人は、実は書棚が埋まっていないと落ち着かない人ではありませんか。

書棚を設けたはいいが、空きがあると、あとになって一層本を買い込むことになってしまいます。

 

地下室や屋根裏が利用できればいいのですが、湿気の問題があります。

これまで日本の住宅の大半が、冷暖房のオン・オフを繰り返す「間欠(冷)暖房」であり、屋内全体の温度分布を均一にする「全館(冷)暖房」ではなく「個別(冷)暖房」でした。何より、欧米と比較して、ペラペラともいえそうな薄っぺらな断熱。

 

こうした環境では、屋内に温度差をつくってしまい、空気の澱んだところや他よりも温度の低い部分に結露を招き、その結露がカビ、ダニの問題まで引き起こしてしまいます。

本がカビだらけになってしまうのは、おおよそこのような場所、原因が多いのです。通風の問題もありますが、結露の多くは「冷たいところ」にできるのです。暖かい部屋で冷たいビールをグラスに注ぐと結露がでますが、暖かい空気が冷たい部分で冷やされて結露するのと同じ理屈です。

 

 

 

本

 

 

www.ienotomo.com

 


本棚の容量を超えたら処分する

通路やホールを利用して書棚を増やすのは簡単な対処法ですが、やがては家中どこを歩いても、常に本が目に入ってしまいます。

ご主人はご満悦でも、奥様やお子さんたちが、どこに行っても本だらけで気持ちが落ち着かない、といったケースも少なくありません。

取材したお宅のなかには、ご主人の趣味で屋内が本だらけになってしまい、奥様の強い要望で庭に書籍専用の物置を設置して解決しましたが、残念ながら、そこでの本もカビだらけになってしまいました。

 

対処法は3つあります。

一つは、家族全員を本好きにしてしまうこと。もう一つは、定期的に書棚本を入れ替えること、最後は先ほど述べたように屋内の温度差を解消する、つまりは「冷たいところ」をつくらないように、躯体の断熱性を高めることの3つです。

 

家族全員が本好きならば、家中が本だらけでもみなさん、気になりません。しかし、問題は家の広さ。体育館のような面積があるならともかく、一般住宅の面積などしれています。

 

どんなに書棚を増やしたところで、やがては必ず書棚が埋まる日がやってくることは目に見えています。どちらの対処法をとるにせよ、定期的な入れ替え作業は避けては通れないのです。

 

私は出版を生業としていますが、蔵書の多いほうではありません。定期的に、書棚の入れ替えをしているからです。

 

以前は、書棚がいっぱいになると、知人の古本屋さんに来てもらい、軽トラックで、まるごと持っていってもらっていました。

 

しかし、捨てるべき本を数十数百と選ぶ面倒な作業を経ても、1万円か2万円にしかならないことを踏まえ、いまは、捨ててもよい本だけの書棚を設け、大切なものは専用の書棚に入れておくようにしています。

こうすると、町内会の資源回収時などに、いつでも気軽に出せるわけで、整理にもそんなに手間がかからずに済みます。

 

それでも「あの本どこに行ったっけ?」とあちこちの書棚を血眼で探し回るようなこともしょっちゅうで、捨ててしまったことを後悔し、また同じ本を買うこともままあるのです。

もう一つ、町の図書館とBOOK OFFは、私のもう一つの書庫と思うようにしたのです。どちらもクルマで数分のところにありますので、必要があれば、気分転換を兼ねて図書館やBOOK OFFでじっくり本を眺めたり、選んだり。こうした発想の転換で十分満足しています。

 

本

 

本は繰り返し読んで価値がある

昔、作家のKさんを取材したとき、こんな話をうかがいました。

子どものころから本好きで、大人たちも驚くような速さで近くの図書館にある本をほとんど読んでしまった。

ある日母親に「もう読む本がなくなった」と告げると、母親はKさんをその図書館に連れて行き、「この本には何が書いてあったか」と1冊ずつ尋ねた…というのです。

 

答えに窮したKさんは、読書の量ではなく、いかに深く読むかをそのとき教わった、と話されました。

同じ本を、何度も何度も繰り返し、自分のものにするまで読むことが、とても大事だと話していたのが、いまも心に残っています。

 

いわゆる「再読」ですが、最近の私の読書も、ほとんど新刊を買うことはなく、書棚にある本を読み返すことの繰り返しです。

新しい仕事の際には資料の購入はつきまといますが、読書のための本は、いま本棚にある本の再読だけであと数十年かかります。

 

とはいえ、私の場合、お小遣いが制限されていることと、能力的な限界もありますので、何度も繰り返して読まないと血肉にならない…というのがほんとうのところです。

 

本棚

 

おすすめ図書

 レイチェル・カーソン。1907年、アメリカ・ペンシルバニア州スプリングデール生まれ。海洋生物学者。

1962年という早い時期に環境破壊・環境汚染の実態を告発した「沈黙の春」を発表して地球環境への人々の発想を大きく変えるきっかけとなりました。

「センス・オブ・ワンダー」は、死後、出版され、彼女の最後のメッセージというべき作品。姪の子どもを引き取り、育てる過程をエッセー風にまとめています。

 

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない<センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性>を授けてほしいとたのむでしょう

 

 

鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ硬い蕾のなかには、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。

自然がくりかえすリフレイン-夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ-のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです

 

晩年、彼女はガンを抱えながらも化学企業や保守的な学者の攻撃と闘い、仕事を続けます。メイン州の海岸にある別荘で晩夏を過ごしていたときのことでした。

彼女は、渡り鳥のように数千キロの旅をする珍しい小さなモナーク蝶が、次々と南に飛び去っていくのを目の当たりにし、友人に長い手紙を綴っています。

 

測ることのできない一生を終えることも自然であり、決して不幸なことではありません。

 自然の営みに五感を研ぎ澄まし、そこに学び、深め、人々に知らしめ、生き切った人生。その生命は常に燃え続け、自然のなかに溶けていったようにも思えます。

 

 

   

 

 

にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村