Where we belong.=【家を知る・家に住む・この家で生きる】

そして、私たちの「居場所」について。

【ちいさいおうち】=周囲がいくら変わっても、変わらないものの中にこそ、大切なことがあるというお話。

 

  

 

 

 

 

f:id:akadk01:20200220084459j:plain絵本を読む時間は、マンガをめくるときに流れる時間とは少し異なります。人生の中で絵本にふれる時間は、他の書籍やメディアに比べると、圧倒的に少ないことがわかります。だからこそ、大人になっても子どもの本や絵本にふれることが大切なのかもしれません。読むたびに発見や気づきを与えてくれる「ちいさいおうち」のそんな中の1冊。

 

Contents.

 

 

変わらないものの中にある価値

しずかないなかに ちいさいおうちがたっていました

やがてどうろができ 高いビルがたち

まわりがにぎやかな町になるにつれて

ちいさいおうちは 

ひなぎくの花がさく丘をなつかしく思うのでした――。

 

四季折々、美しい景色の

なかに佇む「ちいさいおうち」。

こんなに幸せな時間がいつまでも続くと思っていましたが、

おうちの回りはどんどん変化してしまいます。

 

家の前には自動車が走り、

丘を崩して道ができ、

大きなビルが建ち、やがて電車が通り始めます。

 

自分は何も変わっていないのに

時の流れは、

変わらないものまでも、みすぼらしく見せるのです。

 

ひなぎくの花が咲く丘は

どこに行ってしまったのでしょう。

変わらないことは、はたして罪悪なのでしょうか。

 

時代に合わせて変わっていくものが

賛美されることが少なくありません。

流行に取り残されないようにと

私たちの気持ちは常に焦っています。

 

しかし、この世界には

朝が来て夜が来て、夜になるといくつもの星がまばたき

またお日様が昇り、朝が来ます。

小さな種がやがて芽を出し、茎や葉をつけて

美しい花になることが約束されています。

 

静かではありますが

当たり前に、変わらないものが

実はたくさんあることに気づきます。

 

そして、変わらないものの中にこそ

大切なものが潜んでいることが

少なくないことを、私たちは知っています。

 

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絵本を通して見える大人の社会

70年以上も前に誕生したこの作品は

アメリカを代表する

絵本作家バージニア・リー・バートンの作。

 

詩人の長田弘さんは、

たとえば1冊の本を社会のなかに置いてみる。

すると、ごくあたりまえのようだった自分の周りの風景が

随分違って見えてくることがある、と述べています。

 

大人の社会の持つ眼差しは刻々と変化を続けますが

子どもの目線は変わらない。

その目を通して社会を眺めると、確かに

私たちが当たり前だと思って生きている社会が

「反転して見えて感覚を覚えることがある」というのです。

言い換えれば、そうした気づきを与えてくれるのが

子どもたちの絵本であることが少なくないともいえます。

 

「ちいさいおうち」はどんどん肥大する時代に

街に、人の欲望に呑み込まれていきます。

しかし、どんなに周囲が変化をしても

「ちいさいおうち」は「ちいさい」ことの価値を

安易に手放すことはありません。

 

長田弘さんは、こうも書いています。

――周りがどんどん変わっていっても、変化のなかに

変わらないものがあり、そして変わるものは

変わらないものを通して変わっていく。

政治が歴史のように考えられるけれども、

いろいろどう変わっても朝があり昼があり夜があり

青虫は蝶になる。

世界にはそういう変わらないものがあり、

そこに大切なものがあるというのを、絵本は語りかける。

(「子どもの本の森へ」河合隼雄 長田弘 岩波書店)

 

小さくても、貧しくても、時代に遅れても

変わらないものの価値を考えてみる。

本を開くたびに

大人の心に重しのようになってくれる、名著です。

 

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In summary

 

英語版で読むと、一層本の世界に奥行きが感じられます。

日本語版は石井桃子さんの名訳。

 

 

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