Where we belong.=【家を知る・家に住む・この家で生きる】

そして、私たちの「居場所」について。

少しの工夫でプロ並みの建築写真。

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新築やリフォームの完成時に、記録として写真に残しておきたいという人は少なくありません。

ビルダーから撮影の依頼があった際、私は必ずビルダー用のデータとプリントとは別に、施主用にと記念のDVD1枚とフォトブックをセットで納品するようにしています。

引越しを終えたばかりの頃はまだ室内が雑然としていますし、数年経ってからでは、どんなに整理整頓しても、入居直前の空間を見ることはできないからです。

プロは、一眼レフを三脚に備え、主に広角レンズを使って撮影し、最後は現像ソフトで調整するなどのプロセスを経ます。

ここではみなさんお手持ちのデジカメで撮影することを前提に、手間をかけずに、建築写真を撮れるコツをまとめています。

カメラの機種やレンズの解像度、ノイズの問題などは、はっきりいって、大きな問題ではありません。まずは、できるだけプロに近い状態、つまり、少しでもきれいな状態で記録することが、ここでの基本です。

新しい生活のスタート前に、記念として、記録として写真に残す際に参考にしていただければ幸いです。

 

※過去の記事ですが大幅に加筆のうえ、新しい日付で再公開しています。

 

 

 

 

 

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上手な建築写真の撮り方=カメラの基本設定

最近のコンパクトデジカメ(以下カメラと呼びます 以下レンズは35㎜銀塩換算)はズームでも24―28mmからと広角側が広めのレンズを搭載しており、ギリギリですが室内撮影にも使用することができます。

結論からいえば、28mmではギリギリ。35mmでは、肉眼で見るより狭く写ってしまいます。

以下、設定からまとまてみます。

 

【モード】絞り優先モードで、数値一つでも絞りたいところです。絞るほどにシャッター速度が遅くなり手振れの原因となりますので、あらかじめ【ISO(感度)】は400や800、場合によっては1600くらいにしておきます。

高感度にすればするほどノイズが増えますが、ここではプロレベルをめざすのではなく記録用と割り切りますので、ノイズよりも手ブレを軽減する方を選びましょう。

絞り優先がわからないという人は、オートの設定でもかまいません。

 

【ホワイトバランス】

オート(AWB)のままでかまいません。蛍光灯、間接照明、自然光が混在していますので、へたにマニュアルにするほうがリスクが生じます。

 

【フラッシュ

OFFにしておきます。どんなときでもフラッシュは、使わないこと。陰影が強くなり過ぎて、画面が汚くなり、いかにも素人写真になってしまいます。このことはとても大事で、人物でも風景でも「フラッシュは使用禁止」と覚えておきましょう。暗いところではISO=感度を上げて撮影することを基本にします。

昔のフィルムは、ISO400でもノイズだらけでしたが、いまのカメラは1600でも2000でもそれほど汚いノイズはのりません。

 

 

【ファイル】

JPGの最高画質としておきます。RAWにするまで凝らなくていいのです。

 

【露出補正】

少し上級者レベルをめざすときに挑戦してみてください。ほとんどのカメラには露出補正機能がついており、1/3段刻みで設定できます。あまり難しく考えず、標準、1段明るめ、2段明るめと1つの場面で必ず3枚は撮っておきたいところです。暗め=アンダーではなく、明るめ側にシフトする意味はあとで述べます。何枚も撮って、あとでベストショットを選びます。

 

【AEB(オートブラケット)】

カメラによってはこの機能があり、1度のシャッターで適正露出、1段明るめ、1段暗めの3--5パターンを連写してくれます。明るめ側、暗め側、どちらにシフトすることもできます。

室内での撮影は窓からの光と影になる部分の光の差が大きいため、標準、1段明るめ、2段明るめとプラス側(明るめ側)だけにシフトしておいて、大きな間違いはありません。

現像の際に明るさを調整することもできますので、迷ったときにはあまり神経質にならず、手振れに気を付けて撮影することを心掛けます。

露出で失敗しても後述する現像(レタッチ)で何とかなります。3パターンで十分です。

 

 

 

 

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一つの空間は対角線上の四隅から1カットずつ撮影する。同じ空間でも見え方がまったく違っているのがわかる。可能であれば、特徴のある柱や梁も情報として入れるよう意識する。

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四隅から撮影したあとは真正面からも撮っておく。真正面の場合は垂直・水平はとりわけ意識したい。

 

垂直・水平を意識するだけでプロに近付ける

一眼の場合は使用するレンズによって、それぞれに写りのくせがあります。

ふつうに撮っても両脇が歪んでしまったり、明るめ、暗め、シャープさ、色合い、ボケ具合などがレンズにより異なります。

しかし、それらが個性でもあり、その個性を理解して撮ることで、失敗の少ない写真に近付けます。

 

【カメラの持ち方】

スマホのように片手でシャッターを押すことなど、私たちにはとても怖くてできないことです。

支えのない状態で手振れを起こすのは当然。

手持ちで撮影できるほど明るい場所でも三脚を使うのは、100%に近い状態で手振れを解消するためなのです。

しかし、ここでは気軽に撮れる手持ちを前提としていますので、せめて両手でしっかりカメラを持ち、ストラップの付いている場合は、それを首にかけ、そのストラップで首が少し痛くなるくらい両腕をピンと伸ばしてストラップを伸ばし、カメラが揺れないように気を付けてシャッターを切ります。

 

そんなにしなくてもという声が聴こえてきそうですが、手振れ補正装置が付いているカメラでも、みなさんが撮った写真の9割は引き延ばすとブレが発見できます。

せめて両手でしっかり構えて撮影することをおすすめします。

 

 

 

【垂直・水平】

建築写真にとってもっとも大事なのが、垂直と水平がきちんととれているかどうかです。

実は三脚を使っても、正確に垂直・水平をとるのは難しく、この調整のためだけに現像処理を行なうと言っても言い過ぎではありません。

柱は曲がっていないか。梁は水平に保たれているかなどに留意しますが、カメラ(レンズ)によっては両端が丸く歪むこともあります。

カメラをほんの少し上下してみてください。

それだけで歪みが解消されるポイントがありますので、調整しながら撮影します。大きな歪みや斜めになった場合などは、あとで画像処理で調整します。

フリーでもたくさんのソフトがあります。

 

 

 

 

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天井部分の水平が大きく歪んでいる。カメラを構える角度を何度も調整する、もしくはレタッチ時に修正する。



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柱の垂直、天井部分の水平に加え、床や手すりも「線」が多く難しい写真も少しの工夫でプロ並みに。

 

【撮影ポーズ】

プロのなかでも、自分が立った高さのままで撮影する人が多いことに驚きます。背の高い人は同じリビングを撮っても、やや上からダイニングテーブルやソファを見下ろす角度になります。

私だけのこだわりかもしれませんが、同じ空間でも自分が立ったときの高さと床に座ったときの高さの2通りを撮ることにしています。

いくら洋風の住まいが多くなったといえ、日本人の生活の大半はいまも「座」の生活なのです。その視座から空間を見渡したほうがより生活に即した画角になります。

ここではカメラの手持ちを前提としていますので、まずは床にペタンと座り、そこから空間を眺めてみてください。

西洋の家に比べると天井が低めの日本の家でも、おおらかな空間が撮影できるはずです。

 

【ピント】

モニターもしくはファインダーを見ながらピントを合わせ、シャッターボタンを「半押し」します。

重ねたAF枠がピント合いましたよと光るか、ピピっと音がするはずです。

これがピントと露出が合ったサインです。

ここでシャッターを押してしまうのをじっと我慢します。

室内の場合は、窓などの明るい部分ではなく、部屋の隅や窓の下の壁と床の接合部などの、どちからというと「暗め」の部分にピント合わせて、そのまま撮りたい構図に戻す、ずらすなどします。

このことをフォーカスロックといいます。

暗い部分にピントを合わせる→シャッターを半押ししたまま撮りたい構図にカメラを動かす(立ち位置の移動は距離が違ってくるので、その際はまた最初からやり直し)→シャッターボタンを押す、という順番です。

たいていのカメラは、シャッターを半押しした瞬間に明暗=露出も同時に決めてしまいます。

その際、窓などの明るい部分に合わせてしまうと、窓をはっきり写そうとして室内全体が真っ暗になってしまいます。

暗めの部分にピントと露出を合わせることで、窓などは白く飛びますが、室内はおおよそ光が均一になります。

あえて「暗め」というのは、真っ暗のところだと今度は全体が明るくなりすぎてしまいますので、シャッターを何度か押して、ピントの合いやすい、明るくもない、暗すぎでもない部分にピントを合わせることがとても大切なのです。

 

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窓にピントを合わせると、露出も窓の明るさに合わせてしまう。カメラは窓を適正に見せようとするため、その結果、周囲が暗くなる。

 

 

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窓の下あたりにピントを合わせて露出を決める。シャッターは半押ししたまま、カメラを上下左右に動かし、撮りたい構図を決め、シャッターを押す。こうすると、窓はやや白飛びするが空間の明るさはほぼ均一になる。この場合、カメラは動かしてもいいが、自分の立ち位置は移動しないこと。


 

 

【撮影場所

1つの空間を箱型とすると、四隅から対角線を意識して撮ることが基本の基本。加えて、4つの辺の真ん中に陣取って4カット。つまり、リビングでも和室でも、四隅で4カット、4つの辺で4カットと合計8カットを撮ることになります。いずれの場合も、壁に背中がくっつくくらい隅に寄ったポジションです。

そんなにたくさん撮らなくてもと思うでしょうが、最初に申し上げたように、完成時にしか撮れない写真。

昔のフィルムカメラと違って、デジカメなら何枚撮っても費用はかかりません。たくさんのカットを撮っておき、整理の段階で1つに絞るなどするといいでしょう。

 

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ストーブの煙突が吹き抜けを貫いている。この場面では、煙突の少し斜めになっただけで素人じみた作品になってしまう。

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煙突の垂直を意識して撮影。吹き抜けにすっと伸びる黒い煙突が空間の象徴として見えてくる。

 

 

www.ienotomo.com

 

より完成度を高くする「現像(レタッチ)」

Photoshop Elementsがおすすめです。1万円ちょっとで購入でき、プロのカメラマンでも、このソフトだけで十分過ぎるほどの機能を備えています。

この費用ももったいないという人は、フリーソフトで明るさや歪曲補正などができるものを探してみてください。

プロのカメラマンでも現像工程を経ないで納品するケースはほとんどないといってもいいほどで、特に建築写真は垂直、水平、明るさ、コントラストなどの調整が完成度を決定します。

余計なものが写っていたときはトリミングすることもできます。

逆にいうと、写真のプロではないみなさんでも、ちょっとの手間でプロに近付ける作業といえます。

 

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よく見ると右側の柱が右寄りに傾いている。

 

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カメラをほんの上下に振るだけで、垂直や水平が見違えるように変わって見えてくる。必ず垂直がきれいに出る画角があるので、カメラをいろんな角度で構えてみる。

 

 

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建築写真におすすめのカメラが万能カメラ

35ミリ換算値で28~35mm程度のレンズを一般に広角レンズと呼び、24mm以下は超広角レンズの部類に入ります。

建築写真では24mmでも不足するくらいで、私は一眼レフ用に12-24mmと8-16mmの2本のレンズを使い分けています。後者の方がワイドに撮れる反面、周辺の歪曲がきつくなります。

 

コンパクトデジカメのズームレンズを搭載した機種でも、広角側で24mmレンズが主流となってきたのは歓迎すべきことです。

 

風景にも建築にも、ワイドであることは多くのj情報が入り込んで有利ですし、人物などを撮る場合は被写体にぐっと寄っていけば済む話。

多くの情報が入り込むだけに、無駄な画面が入らないことを意識することを忘れてはなりません。

 

カメラを選ぶ際には、この広角側がどれだけ短い数字であるかがポイント。35mmより28mm、24mm、20mmと数値が小さいほど広角になります。

もっとも建築や風景撮影の場合の話ですが、野鳥や鉄道写真をメインにする人は望遠側がどれだけ長いかもポイントになります。

以下に2019.5.9現在の価格.comデジカメランキングのなかから広角側の広い機種をいくつか選んでみました。

※SONY サイバーショット DSC-WX500

24mm~720mm 光学30倍ズーム搭載モデル。180度可動式液晶モニターの搭載。

 

 

※CANON PowerShot G7 X Mark II

24mm~100mm F1.8-2.8の光学4.2倍ズームレンズと1.0型CMOSセンサーを搭載。

 

※OLYMPUS  Tough TG-5

25mm~100mm F2.0のレンズ、防水、防じん、耐低温、耐結露のタフ性能装備。

 

※Nikon  COOLPIX A900

24mm~840mm 光学35倍ズーム、約92万ドット3型チルト式液晶モニターなど。

 

OLYMPUS  Tough TG-5は25mmからですが、その他は いずれも24mmからの広角を備えており、建築写真でも十分に使え、風景でも威力を発揮するはずです。

カメラの設定は絞り優先や露出補正など、ほんとうは細かなことがいろいろあるのですが、ここでは思い出用の記録と割り切ります。

こまかなところは、あとでレタッチで修正する前提です。まずはバシャバシャと撮りましょう。

 

 

 

 

※PENTAX デジタル一眼レフ KP + DA12-24mmF4

撮影だけのときは三脚を使って慎重に撮りますが、私の場合は取材(お話を聴く・調査など)と撮影が一緒ですので、お相手に時間をとらせないため、多くはこの組み合わせで手持ち撮影します。

三脚を使っての撮影ですと、30坪ほどの物件で軽く2時間はかかってしまうからです。PENTAXの一眼はボディ側に手振れ補正装置があり、レンズを選ばないこと、この機種になりISO1600くらいにしてもほとんどノイズが見られず、手持ちでF8まで絞り込めるなどメリットを感じています。

防滴、防塵機能もあり、この機種にしてからフルサイズの必要性を感じません。雑誌の見開きくらいの大きさなら、フルサイズと比較してもまったくわからないはずです。

 

 

 

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どんな写真でもその場に立ちっぱなしで撮るのではなく、一歩でも前後左右に移動してみる。

それができなければ、カメラを前後左右に振ってファインダーを眺めてみる、などだけで写真は見違えるように変わります。

 

最大のコツは、その場でパシャッと撮るのではなく、自分が動いてみる、カメラを動かしてみること。

撮ることに対して、被写体に対して、誠実であればあるほど、必ず、写真の質は向上します。

 

ちょっと難しい内容だったかもしれませんが、このなかの1つか2つを気にするだけで、確実にプロに近付けることをお約束します。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

コメントを頂戴した方にも、感謝いたします。

 

 

 

 

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