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そして、私たちの「居場所」について。

【長寿遺伝子】=「腹七分目」で起きる奇跡について。

 

 

 

 

 

 

 

By Pixtabay.

日本には古くから「腹八分目」という言葉があります。何事も、ほどほどのほうがいい結果を招く、少食が健康を保つなど、短いその一言に哲学さえ感じます。最近は「腹七分目」が健康だけでなく、長寿のもとになるとの説が相次いで発表されています。

 

Contents.

 

長寿遺伝子を発動する行動

満腹よりも八分目程度に抑えていた方が健康によく、医者いらず、といった意味で使われてきた「腹八分目」。

 

食べ物がいまほどゆたかでなかった時代は、食べたくても満足に食べられず、八分どころか三分、四分で我慢することもあったでしょう。

 

そんな時代を知る人も少なくなり、日本中、世界中の先進国がダイエットできずに苦しんいるのが現状です。

 

しかし、最近になって、「腹八分目」どころか「一日一食」あるいは「腹七分目」の方が健康によいといった内容の本がたくさん出てきてきました。

 

朝食は抜いて、生姜紅茶だけにするといった方法もあり、私自身も長い間、実践してきたのです(いまはお粥にしています)。

 

マサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授は、「長寿遺伝子は摂取カロリーが腹七分目、六分目のときにもっとも活性化される」という説を唱えています。

 

日本でも長寿研究者や糖尿病の専門医による「腹七分目」論が頻繁にマスコミで取り上げられるようになりました。

  

 

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食事もエネルギーも3割減

自分も、ひそかに「腹七分目」を実践してきた一人です。

食事だけでなく、生活も「腹七分目」。

買い物もエネルギー消費も、3割減というあんばいです。

 

気がつくと光熱費は始める前の3割減、体重も始める前と比べて4キロ減となり、家のなかの不要なモノも3割以上破棄することができました。

 

からだはすっきり。光熱費は安くなり、家のなかも片付いて…と、ここまではよかったのですが、仕事まで3割減としてしまったことで、収入も減りました。

自営業なのです。

 

しかし、家のローンや保険の大胆な見直しを実践して次第に支出は減り、無理することなく、生活全般を身軽にできた気がします。

 

 

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少し肉を減らすだけの効果

日本では有り余るモノや食糧ですが、こうしているいまも世界では8億2100万人が飢えに苦しみ、1億5000万人以上の子どもたちが発育阻害の状態にあります。

 

牛肉を1キロ生産するためには8キロのトウモロコシなどの穀物が必要です(豚は4キロ)。

1キロ のトウモロコシを生産するには、1800リットルの水が使われ、牛肉1キロを生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。

 

先進国の人たちが嗜みなく肉を食べ続ける限り、トウモロコシや小麦などの飼料が家畜に回され、水が不足し、飢えに苦しむ人たちに配分されないという富の偏在も忘れることはできません。

 

先進国で肉の消費量を2割減らすだけで、世界中の飢えをなくすだけの穀物が確保できるといわれます。

 

あくまで数字のうえでの話ですが、ちなみに、日本の家庭が1年間に捨てている食べ残しの量は、アフガンの人々が食べる穀物の3年分の重さ。

漁業大国日本の年間漁獲量とほぼ同じというデータもあります。

 

こうした数字を目の当たりにするたび、すき焼きの牛肉1枚、トウモロコシ1本にどのくらいの水と飼料、エネルギーが費やされているのか、考えてしまいます。

 

 

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100%と150%の七分目とは

暮らしも食事も「腹七分目」、つまり従前の3割減という目的はいいのですが、私たちはすでに、目標とすべき生活の150%、200%――という生活を当たり前としていることに気づきます。

 

食事一つとっても、100で十分に健康的であるはずなのに150%、200%が常態化。

そこから3割減にしたところで、150%×70%=105%で、まだまだ「腹十分」を超える状態です。

 

節電、節水についてもしかり。

日本の家庭部門を含む民生部門でのエネルギー消費は、石油ショック前の1973年から2011年までの間に、2.4倍に増加しています。

 

100年前との比較をしているのではありません。

 

この状態で、3割の節電、節水を果たしたところで、30年、40年前とは比較にならないレベルのメタボ生活を送っていることになります。

 

 

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日常は世界と直結している

生活のあらゆる場面で「腹七分目」を実践することは、モノに溢れ、飽食を当然としてきた私たちにとって、よほどの努力なしでは実現できない、過酷な作業です。

 

インドの大都市の路地裏や地方の村、ネグロス島やマニラ(フィリピン)のスラム、あるいはラオスの山間部で出会った子どもたちと、(決して富裕層ではない)わが家を比べても、200%どころか、500%、600%といってもおかしくない暮らしがあり、飽食があります。

 

一人ひとりの暮らしは小さなものでも、食べ物やモノのほとんど全てが世界とつながっています。

 

この世界を見ないことにして、ダイエットやミニマムな暮らしを論じるのは、先進国に生きる私たちのずるさです。

 

そう考えるとき「腹七分目」は目標なのではなく、私たちが誠実に負うべき重荷となって見えてきます。

ここでの重荷は責務と言い換えてもいいかもしれません。

 

しかし、重荷とはいえ、気が重たくなるだけの話ではありません。

スリムなからだに近づけるだけでなく「長寿遺伝子オン」という素敵なおまけまでついているのです。

 

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まとめ
 1.長寿遺伝子は摂取カロリーが腹七分目、六分目のときにもっとも活性化される、といいう説が有力になってきた。
 
2.日本でも長寿研究者や糖尿病の専門医による「腹七分目」論が頻繁にマスコミで取り上げられるようになっている。
 
3.買い物もエネルギー消費も3割減は、そんなに難しくない。
 
4.先進国で肉の消費量を2割減らすだけで、世界中の飢えをなくすだけの穀物が確保できるといわれる。
 
5.すでに過剰な生活が恒常化している中での3割減は意味がない。もっともっと引き算。
 
6.生活をスリムにすればするほど【長寿遺伝子】がONになる。
 
7.私事ですが、「16時間ダイエット」を実践中。1日の中で空腹で過ごす16時間を設定。夕食は食べたいので、20時に夕食を終え、翌日の昼食を12時にとります。食べない時間は、水やお茶などカロリーのない飲み物はOK。「細胞を内側から新しく作り替えるオートファジーは、体が飢餓状態になると活発化するとされています。その目安が、最後にものを食べてから16時間ほどなんです」(あおき内科 さいたま糖尿病クリニック院長 青木 厚さん)。