元宝塚歌劇団宙組トップスター貴城けいさんが、著書『宝塚式「ブスの25箇条」に学ぶ「美人」養成講座』(講談社)で発表し有名になった、ブスにならないための法則のあれこれ。歌劇団の人なら誰もが目にする場所に貼られていたといいます。「ブス」は女性を卑下する言葉の一つですが、書かれたことの全ては男性にも100%通じることばかり。1日に一つずつでも改善していけば、女性も男性も幸運を引き寄せ、きらきらした人生を送れそうです。ここでは著書とは少し違う角度で、ブス脱却のためのノウハウを考えます。
Contents.
最初は心を込めなくてもいい
1.笑顔がない
2.御礼を言わない
3.おいしいと言わない
4.目が輝いていない
5.精気がない
「おまえはブスだ」
「こんなことできて当たり前」
こうした言葉を突き付けられて、嫌な気分にならない人は、世界中に一人もいないはず。
「ありがとう」の言葉を生み出した人には、ほんとうに感謝したい気持ちでいっぱいです。
照れ臭かったら、無理して心を込めないでもいい。
心を込めない「ありがとう」でも、あなたが口にした瞬間、「ありがとう」の言葉に言霊が宿ります。
嘘でもいいから、言葉が先です。
ありがたいと思う気持ちが笑顔をつくるのではなく、無理にでもつくった笑顔が「ありがたい」という気持ちを自分の奥底からたぐり寄せ、自然に笑顔をつくってくれます。
どんな自分も受け入れていく
6.いつも口がへの字の形をしている
7.自信がない
8.希望や信念がない
9.自分がブスであることを知らない
10.声が小さくイジケている
自分自身、自分の人生。
それらは買い換えることができません。
かなり凸凹があってクセのある代物ですが、この人生には数百億円を支払ってもまだまだ足りない唯一無二の価値があります。
多少のクセがあるのは仕方がないと諦めて、まずはそんな自分のことを嫌いにならないことから始めます。
「自己肯定」「自己受容」なんて言葉を使うからややこしくなるのです。
自分がもともとどんな生い立ちで、どんな性格かなどは問題ではありません。
このまんまの自分を、どんなふうに使いこなしていくか――。
そこを起点にすることで、不思議と顔つきも変わり、自信がつき、前向きな気持ちになります。
ある種のパラドクスでもありますが、どんな自分でも、そのまんま、このまんま、いいことも悪いことも、全部受け入れて、認めてあげて初めて、誰かのためにできることを考え始めます。
人って、そういうふうにできているようです。
自分の不完全さをとがめない
11.自分が最も正しいと信じ込んでいる
12.グチをこぼす
13.他人をうらむ
14.責任転嫁がうまい
15.いつも周囲が悪いと思っている
自分のことを受け入れていることと、自分が正しい、自分が他より優れていると考えることとは違います。
自分のことが嫌いじゃないということは、自分の不完全さはちょっとは知っているけれども、その不完全さを過度に、感情的に、とがめることをしない、こととも換言できます。
分かりやすくいえば、そんなに自分をいじめなくていいよ、ということに尽きるのです。
自分を認められない人の多くが、他の人よりも高い目標を持っていることは少なくありません。
目標が高過ぎると、それが低い自分や他人を卑下するようになります。
愚痴も多くなり、自分や他人への評価も厳しくなりがちです。
あらゆる点で、あらゆる人より優れた人になんて、なれるはずはないのです。
自分が手が届きそうな目標を持つことから、始めます。
先が丸くなった鉛筆があったら、ナイフでもいい、鉛筆削りでもいいですから、ゆっくりと削ってみましょう。
息を整えながら。
きれいに尖った芯が出てきました。
鉛筆の木の香りも、気持ちを和らげてくれそうです。
そんな、気持ち。
他人より自分を勇気付けする
16.他人にシットする
17.他人につくさない
18.他人を信じない
19.謙虚さがなくゴウマンである
20.人のアドバイスや忠告を受け入れない
人を変えようと思っている限り、相手はどんどん自分が嫌な人間に化けていきます。
この世で変えることのできる人間は「私」だけ。
その「私」は、いつでも、どこでも変わることができます。
まずは「かわいそうな私、悪いのはあの人」の図式から脱却することから始めます。
自分が幸福になれなかったら、誰もが羨ましいだけですし、その人を信じる気にもなれません。
ましてや他人に尽くす気になどなれないのです。
自分の幸福を優先することと、他人を蹴落とすことは違います。
自分を勇気付ける力があれば、他人のことは二の次になっていきます。
それでいいのです。
健全な劣等感は、他人との比較で生まれるものではなく、理想の自分と比べることで生まれるもの。
相手を意識し、相手に頼り、相手に尽くしていく根底には、他者への依存も潜んでいます。
その依存は、相手を支配したいという希求と腹背の関係。
朝起きたら、誰かと比べるのではなく、鏡を見て「おっ、今日も私はきれい」「私、いい顔してる!」と小さなことから自分に勇気をあたえていきましょう。
自分を勇気付けをできる人が、自立できる人でもあります。
自立できた人だけが、協力的な人間関係を結ぶことができるのではないでしょうか。
人生を勝ち負けでとらえない
21.なんでもないことにキズつく
22.悲観的に物事を考える
23.問題意識を持っていない
24.存在自体が周囲を暗くする
25.人生においても仕事においても意欲がない
自分の言うことは、何でもかんでも真剣に聞いてくれる相手。
何かお願いごとをしたら、二つ返事で引き受けてくれる相手。
あの人よりも早く出世したいし、あの人よりも高価なファッションに身を包んで、いつもきれいでいたい。
夢は数えきれないほどありますが、現実の私たちは、常にそんな理想から引き算をしてものごとを判断しがちです。
引き算から生まれる点数は、いつだってマイナス点だけ。
自分だけがマイナスだとまだいいのですが、おまえのせいで、おまえがいたから――といった意識が芽生え、そうした気持ちで人に接するうちに、周囲には暗く冷たい人間関係ができあがってしまいます。
そんなときの自分の顔、周囲の人の顔が、きれいであるはずはありません。
ささいなことで傷ついたり、怒りを感じたり、悲しい気持ちになってしまうのは、自分の人生が「勝ち負け」の関係でしか動いていないからです。
他人の期待に沿ってばかり生きることも、少しずつ減らしていきましょう。
そうすることで、他人があなたのことばかり気にして生きているわけじゃないことが分かってくるはずです。
負けても価値のある自分。
負けても価値のある相手。
いろいろあるけど、あなたも私も、いつかはみんなこの星から消えてしまう。
みんな、ほんとは、なくてはならない存在なんだ――と自分に言い聞かせ、私のためにできること、誰かのためにできることを考え続けていく。
そうしたことの繰り返しで、人の顔は、少しずつ素敵に美しくなっていくのだと思います。
男性からも女性からも好かれる美人に「性格ブス」がいないことがよくわかります。全身にスポットライトを浴びながら大階段から登場するトップスターたちは常に、心の中も磨いてきたに違いありません。私たちが判断するのは、美人かブスではなく、いい顔かイヤな顔かの二者択一でしかないのです。いい顔は、どんなに高価な化粧品やファッションでもつくることはできない、ということを本当は誰でもが知っています。――実を言うとね、誰かがわたしのことを美しいと言ったり書いたりするたびに思うのよ。いったいどこが美しいのかしらって...古典的な美人ではないことは確かだもの。わたしがこの仕事で身を立てられたのは、美しいからではないわ(オードリー・ヘップバーン)。