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【軽自動車】=SUVから乗り換えて分かった、小さいクルマの利点、欠点。

 

 

 

 

 

 

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2000ccのSUVから軽自動車に乗り換えて7年目。当初、乗り心地、安全性などに不安はあったものの、乗ってみればSUVに負けない快適な運転ができることがわかりました。安全装置も進化し、少し速度を落とすだけで、高い安全性を確保できる可能性も。ガソリン代やタイヤ、車検、保険、税金など維持費の安さも大きな魅力です。クルマに関するコストも光熱費と同じように「省エネ」「省コスト」。そして「交通事故」というカテゴリーのなかで「安全性」についても考えてみました。

 

Contents.

 

初めてのSUV購入後の大震災

一度は大きなクルマに乗ってみたいという、そんな夢をかなえたのが10年前のことでした。

 

2000ccの4WD・SUVを購入しました。

 

仕事柄、4WD以外のクルマは乗ったことはなく、それ以前も1500~1800ccの4WDを乗り換えましたが、SUVは初めてでした。

 

ちょっと贅沢もしてみたい。

見栄もはりたい。

カッコもつけたい、という思いも含めて買ったクルマです。

 

運転は丁寧なほうですので、この大きさで4WDでも、街乗りでリッター11キロは走ってくれました。

カタログ値は15.2キロ/ℓでした。

遠距離では14キロ/ℓは軽く超えて走りました。

 

しかし。東日本大震災で状況は一変しました。

 

ガソリンは緊急時ほど、入手しにくいという当たり前のことを知り、価格は今後高くなることはあっても、安くなることはないといった現実を突き付けられたのです。

緊急時は、リッターあたり1キロでも多く走るクルマが、圧倒的に優位であることも実感しました。

 

これまでずっと、住宅に関しては、より快適に、より省エネで健康的に…などと書いたり、述べたりしてきました。

 

いくら住まいの省エネを実践しても、世帯の年間光熱費と同じくらいの出費があるガソリン代や、その維持費は? という現実に直面することになったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年間15万円前後もの経費削減

そのSUVを「大きなクルマに乗ってみたい」という息子に売り払って、そのお金で軽自動車を購入しました。

 

息子は通勤でしかクルマは使わず、ガソリン代はたいしたことはないのです。

売りたいというその一心で、ガソリン代や維持費のことは口にせず「このクルマ、最高だよ」と営業に徹しました。

 

彼は思惑とおり、提示した満額を支払い、ほぼ差額ゼロで軽自動車・4WDの新車購入に成功したのです。

 

一部を除いてですが、ハイブリッド車に4WDは多くありません。

あったとしても、燃費はあまりよくないのです。

 

軽自動車の4WDに迷いはありませんでした。

カタログ値でリッター26キロの燃費も魅力でした。

 

平均的な燃費は、春や秋でリッター22キロ。

長距離では26キロ。

夏期はエアコンを使いますので19キロ、冬期は17キロ前後。

 

月々のガソリン代は以前のちょうど半額。

税金、保険その他の維持費と総合すると、私の場合、年間15万円ほどの経費節減となりました。

 

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速度を守れば安全性は高まる

雪の峠道を走ることもあり、経済性まで考えるなら「軽の四駆、一択」と、タクシー、トラック、運転代行などのプロドライバーたちは口を揃えます。

 

軽自動車の(衝突時の)安全性能は、大きなクルマにかなわないのは当然です。

が、厳寒期・積雪、凍結時の安全について語るとき、FFの小型・中型車と軽の4WDと比較すると、経験上は後者に軍配が上がります。

これは、北海道rや東北の厳寒期の凍結した道路を、1日に数百キロ走行するような運転を長年経験した者にしかわからないことかもしれません。

 

「規制速度を超過しない交通死亡事故率は、超過した交通事故の死亡事故率の約15分の1となる」

というデータがあります(警視庁)。

 

万一の事故の際、大型車に比べ、確かに軽自動車は頼りないイメージですが、慎ましやかに規制速度を守りながら走行することで、安全性を向上できる可能性があるということです。

 

高い安全性能をうたう高級車の70キロと、軽自動車で40~50キロでの運転。

どちらが安全なのか統計的な詳細はわかりませんが、速度を落とすなどの工夫で安全性は高まることは確かです(下図参照)。

 

あおられるのはいやですが、抜かしたいクルマには、お先にどうぞ!

 

 

 

規制速度の被害軽減効果グラフ 参照:警視庁

 

※規制速度の被害軽減効果グラフ 出典:警視庁

規制速度を超過しない交通死亡事故率は、超過した交通事故の死亡事故率の約15分の1となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クルマの維持費は光熱費並み

軽自動車といっても、乗り心地はSUV並み。

もともとSUVという車種は、乗り心地など考慮されていないのですから、乗り換え時も違和感はありませんでした。

 

車高もあり、車内長も一部の小型車以上あって、閉塞感もありません。

収納はさすがに狭いのですが、撮影機材などが多いときには、後部座席を倒して使えば、たっぷりのスペースがあります。

大半は一人乗りなのです。

 

排出するCO2は燃費に比例しますので、CO2の排出量は単純にこれまでの2分の1となります。

 

単純計算ですが、リッター10キロ走るクルマですと、年間1万キロでガソリン代はリッター130円として13万円。

家庭の光熱費は夏暑く、冬寒いような住宅でも年間20~25万円くらいですから、合わせると大変な負担になってしまいます。

 

これがリッター20キロ走るクルマですと、ガソリン代は単純に半分の6万5000円になります。

 

私たちが家庭の「光熱費」を語る際、クルマの維持費やガソリン代を抜かして考えることが少なくありません。

家一軒で、年間、いくらエネルギーを消費するか、といった総合的な捉え方が必要なのです。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

生活の質を落とさずコスト減

省エネ・省CO2というと、ちょっと面倒な気分になりますが、よく考えることで得をするのは私たち自身です。

 

得をしながらCO2削減に貢献できれば、こんなに都合のいい話はないでしょう。

 

デフレ脱却、経済成長のためにお金を使っていただくのはお金持ちにお任せするとして、私たちは健康に影響のない程度に、生活の質を少々落としてでも、出費を抑えなくてはなりません。

 

言い過ぎだとしたら、生活の質は落とさずとも、無駄なコストは削減するほかはないのです。

 

軽自動車が、新車販売の4割以上を占めるようになりました。

 

ひと昔前までは、安全性に問題がある、乗っていて疲れる、何よりカッコ悪いというイメージがありましたが、安全性、乗り心地、燃費など全ての面で性能は向上し、日本独自の自動車文化を築いています。

 

スポーツカーや大型の高級車、外車などがステイタスではなく、現実をきちんと見据えた若い世代から熟年世代に浸透しつつあるのは、歓迎すべきことです。

 

デートは高級車、クルマは男の富の象徴という時代も、ようやく過去のものになったかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ココロザシから世界を変える

どんなクルマでも、燃費を調べない人はいないはず。

 

しかし、住宅建築の際、夏期は24時間28℃設定、冬期は24時間21℃設定という欧州EUレベルの温熱環境を前提としたエネルギー消費量の裏付けを求める施主は(個人的統計ではありますが)、まだ5%前後と思われます。

 

安全で快適。

エネルギー効率が高く、CO2排出量を削減。

環境への負荷を抑制し、光熱費が割安になり家計への負担も減る。

 

普通車、大型車、高級車、外車に比べると、外観こそ見劣りするかもしれませんが、ココロザシでは負けない軽自動車。

 

これまでも、小さな家、小さな暮らしの効用については何度か書かせていただきました。

 

小さな家や軽自動車が、今後の日本の進むべき方向性を示唆しているように思えるのは私だけでしょうか。

 

大きな家に住めば幸福。

大きなクルマに乗ればドライブが楽しい。

それらも確かなことかもしれません。

 

しかし、時代や流行に流されず、確かなものを見極める目を養い続ける過程にこそ、ほんとうの楽しさがあります。

 

知識や教養、知性やステイタス、経済力の有無ではなく、小さなココロザシを持つことで、暮らしに味わいが生まれます。

 

その味わいのことを「しあわせ」とか「ゆたかさ」というのだと思います。

 

 

まとめ

2018年の全国の交通事故死者数は3532人(警察庁交通局)。うち歩行中死者は1258人で約36%を占めています。約7割が65歳以上の高齢者で、そのうち58%が法令違反。歩行中の死者が最も多いことがわかります。

 

衝突時の安全性能では軽自動車は当然、普通車、大型車に及びません。

これは大きな欠点といえます。

 

しかし、交通事故全体を俯瞰して考えるとき、クルマ単体での安全性を論議するだけではなく、歩行者、自転車までを含め、さらにはスピード違反に代表される法令との関わりを含めた捉え方をしていくと、より広い範囲からの安全性が見えてきます。

 

安全性能に秀でた高級車が一般道を80キロで走るのと、50キロで走る軽自動車を比べても意味がありません。

運転のノウハウ、手法にまで言及しながらクルマと人の安全性を考えたいものです。