Where we belong.=【家を知る・家に住む・この家で生きる】

そして、私たちの「居場所」について。

【聴く力】=仮想人格を有した人と社会とつながる技術。

 

 

 

 

 

 

 

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誰かと話をしたいという気持ちの根底には、自分の話を聴いてほしいという自分優先の願望が潜んでいます。しかし、わずか3分でも、相手から何のコメントもなく、自分の話を聴いてもらったという経験を持つ人はどれくらいいるでしょう。3分間、自分の意見を述べず、徹底して相手の話に耳を傾けた、そんな経験を持つ人も多くはないはずです。人と、あるいは自然、世界とつながることの基本は、まずは、こちからから耳を傾けるということ。

 

Contents.

 

誰だって聴いてほしい

自分から相談をもちかけたくせに、相手に何か忠告をされると「話すんじゃなかった」と後悔することは少なくありません。

 

まだ話が終わっていないのに「私はね」「というかさ」と自分が仕切り始める人も多くいます。

 

過不足ない言葉でいいたいことを存分に表現できたり、思いをくまれて安堵する場面は意外と少ないのはないでしょうか。

 

私たちは、聴きながらも、自分が話す機会をうかがっているだけ、ということもできます。

 

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いつでもつながりたい

ネットの世界では、24時間休みなく、宇宙の塵みたいに大量の言葉が浮遊しています。

 

瞬時のうちに数百数千万規模の人たちがつぶやき、フォローし合いながら、つながりを求めているのです。

反対に、大炎上といいながら、反対意見を持つ人同士で結束=つながりを求め合うこともあり得ます。

 

仮想の人格を持った社会と人がそこにあります。

 

日常では礼儀をわきまえた常識人でも、残酷な言葉を平気で書きこむことのできる社会、人。

 

そこでは、傾聴も沈黙も意味をなさず、言葉を発し続けないと誰かとつながることは難しくなります。

 

 

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相手を尊重しない社会

相手に発言の優先権を譲る。

放たれた言葉はいったん受け止める。

 

これが対話や会話のマナー。

相手の意見に賛同できるか否かは問題ではありません。

 

まずは、あなたのいうことを受け止めます、という姿勢が相手に対する敬意の表れであり、つながることの原点でもあります。

 

コメントを連打しないとつながることのできない社会は、相手を優先する礼節を認めない社会でもあります。

 

逆説的ですが、人とつながることができる人は、孤独に耐えられる人ということができそうです。

 

自分の言葉を受け止めてほしいと望む前に、相手を聞く余裕をもっていること。

敬意とは、自分が敬意を持った相手からしか、返ってこないことが多いのです。

 

 

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認知症の母とつながる

母の認知症がまた、進んでいます。

以前は、週に1、2度施設に顔を出したり、家に連れ出して食事をしてきましたが、コロナが流行してからは面接ができず、すでに半年になります。

 

会話は一方通行。

同じ話を何度も繰り返すか、相手の話を上の空で聞いているかのどちらか。

気持ちが穏やかなことだけが救いです。

 

アイヌの人たちは、老人が意味不明なことを言い始めると「この人は神用語を使い始めた」と考えました。

 

痴呆などではなく「神さまとつながるようになった」という捉え方をしたのです。

 

確かに、そう思って接すると、こちらのイライラが軽減し、以前とは違うつながりを実感できたのは、不思議な体験でした。

 

認知症と考えるとつながれない。

でも、神様の言葉を話す人ととらえれば、つながることができるかもしれません。

 

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野の花の声でも聴ける

書棚からふと取り出した書物に、こんな一文を見つけました。

 

「故郷は人が孤独ではないことを告げる。村人たちのなかに、植物のなかに、大地のなかに、おまえの何かが存在し、おまえがいないときにもそれが待ちつづけていることを知らせる」(「月と篝火」チェーザレ・パヴェーゼ。川島英昭訳)

 

野の花や樹木、草原や海や川、犬や猫たちでさえ、私たちに話しかけてくれる、そんな気がするのは、人の根源に元々聴く力が備わっているからです。

 

本の中の言葉も同じで、活字が読者に内在する言葉に耳を傾け、共鳴するからではないでしょうか。

 

 

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耳を澄まし物語を編む

人に限らず、自然でも動物でも、他者の言葉に耳を澄ますと、そこに必ず、つながりが生まれます。

 

つながることは、新たな物語が編まれることでもあります。

 

その物語は言葉や映像、音や香りに形を替えることもありますが、既視感=デジャビュや記憶となって意識に溶け込み、やがては魂と切り結ぶのです。

 

 

私もあなたも、あの人も、いつかはみんな消えていなくなります。

ですが、こうして編まれた物語は生も死も時空も超えて生き続け、あちらの世界に持っていける、唯一の宝物になるかもしれません。

 

聴いたり、聴かれたり。

こんな行為の往還ですが、実は宇宙みたいにスケールの大きな話のようです。

 

 

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In summary

 

そうか、聴くことは「技術」なんだ、と思うかもしれませんが、けっしてそうではありません。
相手の話に耳を傾けるということは、相手を尊重すること。
本文にもありますが、こちから敬意をもたない限り、相手から敬意をもたれることはないのです。
聴くことが、「つながる」ための基本といわれるゆえんです。
 
 
=目次から=

1.聞き上手は話さない

2.真剣に聞けるのは、1時間以内

3.相づちを打つ

4.相づちの種類は豊かに

5.相づちはタイミング

6.避雷針になる

7.昔の主婦は聞き上手

8.自分のことは話さない

9.他人のことができない

10.聞かれたことしか話さない

11.質問には二種類ある

12.情報以外の助言は無効

13.相手の話に興味をもつ

14.教えるより教えてもらう態度で

15.素直に聞くのが極意

16.聞き上手には上下関係なし

17.寡黙と「いま・ここ」の関係

18.嘘はつかない、飾らない

19.相手の話は相手のこと

20.評論家にならない

21.共感とは芝居上手

22.LISTENせよ、ASKするな

23.話し手の波に乗る

24.言い訳しない

25.説明しない

26.話には小道具がいる

27.お茶室は最高の場

28.したくない話ほど前置きが長い

29.聞きだそうとしない

30.秘密の話には羽がある

31.沈黙と間の効用

 

 「沈黙は金、雄弁は銀」「一度語る前に二度聞け」など、昔からしゃべることよりも聞くことの大切さが強調される。もちろん「話す」ことも人間関係の上で大きな影響を与えるが、本当に人の話を「聞く」ことができると、人間関係は驚くほどよくなる。本書は、「聞く」ことのプロであるカウンセラーが、「聞き上手」になるための極意を、実例をふくめてわかりやすく説いた1冊(出版社 解説から)