Where we belong.=【家を知る・家に住む・この家で生きる】

そして、私たちの「居場所」について。

見えないものを見る力=【センス・オブ・ワンダー】。

 

 

 

By Pixtabay.

 

レイチェル・カーソン。1907年、アメリカ・ペンシルバニア州スプリングデール生まれ。海洋生物学者。

1962年に環境破壊・環境汚染の実態を告発した「沈黙の春」を発表。アメリカでの発行部数は150万部を超え、その後20数カ国に翻訳され、日本でも大きな話題となりました。

 

 

神秘さや不思議さに目をみはる感性

この本がきかっけとなり、世界が地球環境への関心を高め、環境保護への発想を大きく変えることになったのは周知の通りです。

 

日本では、1969年、水俣における有機水銀公害を取り上げた「苦海浄土」(石牟礼道子)が刊行され、水俣病が注目され始めました。

誰もが公害などに目を向けることなく、成長、発展を叫びながら、前に前にと進んでいた時代でした。

 

1974年から新聞連載された有吉佐和子著「複合汚染」は、農薬と化学肥料使用が生態系に与える影響を掘り下げ、大きな反響を呼びました。

連載終了後に書籍化され、ベストセラーとなったことを覚えている人も多いでしょう。

同著は「沈黙の春」の「日本版」とも例えられ、両者を読み比べたことを覚えています。

 それでも日本は、環境などに目を向けることなく、成長の向こうにある何かをめざして進み続けたのです。

 

 

「センス・オブ・ワンダー」は、著者の死後に出版され、最後のメッセージというべき作品です。

「The Sense of Wonder」とは、不思議なこと、目に見えないことを感じ取る力という意味。

 

姪の子どもを引き取り、育てる過程とともにまとめており、学術書というよりはエッセイとして気軽に読むことができます。

 

ある秋の嵐の夜、わたしは一歳八か月になったばかりの甥のロジャーを毛布にくるんで、雨の降る暗闇のなかを海岸へおりていきました。

海辺には大きな波の音がとどろきわたり、白い波頭がさけび声をあげてはくずれ、波しぶきを投げつけてきます。(略)

そのとき、不思議なことにわたしたちは、心の底から湧きあがるよろこびに満たされて、いっしょに笑い声をあげていました。

 

美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。

そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。

 

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。

残念なことに、私たちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

 

もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない<センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性>を授けてほしいとたのむでしょう。

 

「『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではないと固く信じています」と著者は言い切ります。

 

私たちに元から備わっている「視覚」「聴覚」「嗅覚」「触覚」「味覚」から成り立つ五感を駆使して「感じる」。

あるいは、五感を超えた、理屈では説明し難い「第六感」で感じたことも受け入れる。

 

そして、それを信じる。

 

直感や霊感に近い感覚ともいえますが、その力は特殊な人間だけが持つ感覚ではなく、誰もが備えている能力であり、目に見えない神秘的なことまで感じなさいというのです。

 

  

 

 

 

 

 

By Pixtabay.

 


内的なヴィジョンを鮮明にする

話は少しそれるかもしれません。

ヨガの世界では、眉間の上に第三の眼があるとし、そこをアジナーチャクラと呼んでいます。

 

チャクラは「車輪」の意味があります。

常にエネルギーを有して回転しており、宇宙のエネルギーを取り入れ、体内で必要なかたちに変換するツボのような役割を果たします。

 

主なチャクラは、頭頂、眉間の上、喉仏の下、胸、みぞおちとへその間、丹田、会陰の7つ。

ここを出入口にして「気」(プラーナ)が渦を巻いて出入りします。

なかでも、第6チャクラ=アジナーチャクラのバランスがとれていると、記憶力や知識を深める能力が高まり、直観、テレパシーなど、潜在能力が開花するとされます。

 

彼女がヨガをしていたかどうかわかりません。

が、科学者でありながら、論理的な思考の制限を外して潜在的な感覚を稼働させ、内的な視角を鮮明にしながら自然に対峙する姿勢は、ヨガにも通じ、宇宙的な視座ともいえます。

 

 

By Pixtabay.



測ることのできない一生を終えることも自然

晩年、彼女はガンを抱えながら、化学企業や保守的な学者の攻撃と闘い、仕事を続けます。

メイン州の海岸にある別荘で晩夏を過ごしていたときのことでした。

 

鳥の渡り、潮の満ち干、春を待つ硬い蕾のなかには、それ自体の美しさと同時に、象徴的な美と神秘がかくされています。

 

自然がくりかえすリフレイン-夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ-のなかには、かぎりなくわたしたちをいやしてくれるなにかがあるのです。

 

渡り鳥のように数千キロの旅をする珍しい小さなモナーク蝶が、次々と南に飛び去っていくのを目の当たりにし、友人に長い手紙を綴っています。

 

測ることのできない一生を終えることも自然であり、決して不幸なことではありません。

 

自然の営みに五感、六感までを研ぎ澄まし、そこに学び、深め、人々に知らしめ、生き切った人生。

 

私たちにもとから備わった感覚を育てる最良の教師は、「自然とふれあうこと」という著者にとって、その自然が人間の行動で汚されることは許し難いことだったはずです。

 

生命は自然を感じ、愛するために常に燃え続け、自然のなかに溶けていったようにも思えます。

 

 

 

   

 

 

アメリカの海洋生物学者で作家。(中略)著作として、1941年「潮風の下で」、1951年「われらをめぐる海」、1955年「海辺」を出版。海の3部作と呼ばれいずれもベストセラー。1962年出版の「沈黙の春」は、殺虫剤などの「合成化学物質」の無分別な大量散布(使用)は、生態系を乱し生物環境の大規模な破壊をもたらし、それは人間の生命にも関わることになると警告し社会に大きなインパクトを与えた。(中略) また、1965年没後に出版された「センス・オブ・ワンダー」は、幼少時から自然の不思議さ・素晴らしさに触れることの大切さを説き、自然環境教育のバイブルとなる。 「沈黙の春」出版のわずか2年後、1964年春、癌にて永眠した(レイチェル・カ ーソン日本協会)

http://j-rcc.org/history.html

 

www.ienotomo.com

 

 

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