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【ファインダー・24㎜・5万円以下】のカメラ選び。

 

 

 

Photos by Sweet Potato..

 

スマホで簡単に写真が撮れる時代。でも、画角や画質、ノイズなど細かなところでは、まだまだカメラの性能に軍配があがります。もう少し本格的に写真を撮りたい人のために考えたのが【ファインダー・24㎜・5万円以下】という3つのキーワード。写真は記憶の記録でもあります。大切な瞬間を丁寧に切り取ることで、記憶の映像も違ってきます。

 

フレーミングの基本は「引き算」

初めてカメラを手にしたのは小学生の頃でした。

父が買ったミノルタのハイマチックを借りて、蒸気機関車ばかり撮っていました。

父は鉄道員。

我が家は駅裏、線路沿いの官舎。

庭に出るだけで、いくらでもSLの雄姿が撮れたのです。

 

子どもの頃からふつうにカメラを撮ってきましたので、取材ではほとんどカメラマンを同行せず、撮影も一緒にこなしてきました。

 

銀塩カメラ(フィルムカメラ)の時代は、年間の撮影枚数は2万カットくらい。

プロには及ばないかもしれませんが、デジタルに移行してからはカット数を気にすることがなくなり、その倍ほど撮ってしまいます。

建築写真の場合、一般住宅ですと、1軒300カットは撮る計算です。

 

フィルム時代は、全て現像所任せでしたが、デジタルの現像は自分で行わなくてはなりません(アシスタントさんも手伝ってくれます)。

枚数を撮れば撮るほど、自分の首を絞めることになります。

現像にかかるコストは削減できても、自分の眼を酷使し、膨大な時間を費やしてしまうのです。

 

 

撮影の際、もっとも気を遣うのはフレーミングです。

フレーミング次第で表現意図を伝えられるかどうかが決まってしまいます。

 

基本は、被写体の切り取り方とアングルを決めることの二つに集約されます。そこに光と陰の計算も含まれます。

 

意識するのは「引き算」。

 

被写体を決めたなら、主題となるものを明確にするために、余計なものを削ぎ落とすのです。

 

ファインダーは横長の長方形ですが、これをのぞきながら、被写体に寄ったり、引いたり、アングルを変えたり、光や陰の加減を見ながら構図を決めます。

ときには、被写体を一周したり、中腰、しゃがむなど、上下の高さも変えてみます。

最後に切るシャッターは、決断、選択肢の凝縮です。

 

 

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発見する・切り取る・表現する

撮影時にはAEB(Auto Exposure Bracketing)を使います。

カメラが自動的に露出(シャッタースピードや絞りの組み合わせ)をずらして複数枚撮影をする機能で、ほとんどのコンパクトデジカメにも付いています。

 

分かりやすくいうと、(カメラが判断した)少し暗め、標準、少し明るめの3種類を一度のシャッターで撮れる設定で、この場合、3カットが連写されます。

100の場面を撮ると、あとになって300枚の画像を一枚一枚パソコンで確認することになりますので、使いすぎには要注意です。

 

被写体が動いているものですと、瞬時の判断が求められます。

電車やスポーツなどはもちろん、ふつうに話している人物を撮るときにも、ピントを合わせ続け、ここでもAEBを使います。

 

建築写真では、基本的に三脚を立て、立ち位置を慎重に決めながらアングルを決めシャッターを押します。

 

 

室内ではどれだけ引くかが難しいのですが、寄っても引いても、引き算をすることに変わりはありません。

それでも、これは使えそうだなと思うのは、毎回1割にも満たないのです。

 

被写体をいかに発見するかも大切。

被写体を発見するというより、被写体のどの部分を引き算の末に発見するかといったほうが正確かもしれません。

 

例えば、デスクに転がっている1本の鉛筆でも、写し方は星の数ほどあり、撮影者のものの見方が如実に反映されます。

 

何をどう見て、どう表現するかという意味では、文章や絵画、音楽も同様で、建築も同じことがいえます。

 

 

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窓の原型は「風穴」=Window

家のデザインではとりわけ、窓の扱いが難しいとされます。

窓には採光、通風、断熱、気密などたくさんの役割が課せられて気の毒なくらいです。

 

とりわけ難しいのは「眺望」ではないでしょうか。

窓を取り付ければいいというわけではなく、限られたフレームのなかで何を切り取り、どんな眺望を主題とするか。

難解で繊細なテーマが課せられます。

 

窓の種類と大きさで、家の表情も変わってきます。

残念ながら、日本家屋ではもともと窓は柱と柱の間の空間=「間戸」でしたので、窓のデザイン、機能という概念はありませんでした。

 

石造りを基本とした欧州の建築物では、窓はもともと風穴で「Window」。古ノルド語のvindr「風」・ auga「目」が語源とされています。

 

開き方も日本とは異なります。

日本の窓は引き戸が多くなりますが、欧米では窓は横に引くものではなく、上げ下げしたり、外や内に開いたり、倒したり、手前に引いたりと、圧倒的にデザイン、機能のバリエーションが違います。

 

 

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欧州の街を歩くと、表情豊かな窓に目を奪われる。

 

 

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日本の窓は室内から外を眺めることが優先されるが、欧米では「見られる」ことも意識された窓のデザイン。

 

 

窓からの「眺望」も引き算

設計者から見れば、ただの庭木に過ぎないものでも、施主にとってはいまは亡きお父さんが、何かの記念日に植えてくれた大事な樹木かもしれません。

自分の庭はなくても、隣の庭木がきれいに見える位置で窓を決める人も、実はたくさんいます。

 

室内からは、窓からの眺望がいのちです。

 

我が家の庭にも、義父が植えてくれた古い栃ノ木があります。その栃を見て、気持ちが安らぎます。

北側で採光が乏しくても、その向こうに大好きな風景があれば、小さな窓では残念です。

 

窓だって、写真撮影と同じようにフレーミングと引き算が、とても重要なことがおわかりになるはずです。

 

 

パズルのように間取りを組み合わせてできた住宅では、こうした大事なことが抜け落ちてしまいます。

北側の窓は小さ目に主張する設計者、ビルダーも少なくありません。

 

いまは、トリプルガラス・樹脂サッシ、木製サッシとの組み合わせも自在で、どんなに大きな窓を設けても、断熱、遮熱、コールドドラフトの心配はほぼなくなりました。

上げ下げ窓も、ドレーキップも、外開き、内開きと日本の窓も、種類が豊富になってきました。

 

性能を確保しながらも、施主はあくまで、眺望を優先すべきなのです。

 

窓の位置や大きさを決めるということは、窓という額縁、あるいはカメラのファインダーで自分の世界観を決めることと言い換えてもいいでしょう。

 

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カメラを選ぶ3つの条件

スマホでもカメラの機能が驚くほど進化しています。

あくまで個人的見解ですが、カメラでもっとも重要なのはファインダーです。

 

しかし、スマホには、ファインダーがありません。コンパクトデジカメにも、ほとんどにファインダーが付いていないのです。

 

撮影時は両手もしくは片手で持って、画面を見ながら撮ります。

この時点で、すでに肉眼の目線と手持ちのスマホ・カメラとの目線にかなりの誤差が出てしまいます。

意図した通りには、100%に近い確率で撮影されていないのです。

 

明るい昼間の屋外では、モニターが全く見えない状態でシャッターを切らなくてなりません。

どんなふうに写るのかわからない状態でシャッターを切ることなど、私にはできません。

 

撮影を職業にする人の多くは、スマホでもコンパクトデジカメでも、ファインダーのないカメラは怖くて扱えないというのが本音なのです。

 

動く被写体を眼で追いながら撮影する、遠景を切り取る、近くにいる人物を撮るときにも、ファインダーがあると視線と一体感があり、より正確な「引き算」ができ、いい写真に近づけます。

 

 

スマホよりは、もう少しカメラらしいカメラを使ってみたい。

でも、一眼レフやミラーレスなど高価なカメラには手が届かない。

そういう相談を受けることが少なくありません。

そんなときに、私は迷わず、次の3つの条件を提示します。

結論からいいますと、写真をきちんと撮りたい人は、スマホではく、カメラを選ぶべきなのです。

その際の参考にしていただければ幸いです。

 

1.ファインダー付き

利き目をファインダーに当てると、瞬間瞬間の「引き算」がしやすくなります。

けっして大袈裟ではなく、上手な写真の基本の基本です。

両肘が脇にくっつくような姿勢にすると、よりブレの少ない写真が撮れます。

スマホやデジカメで撮られる写真は、9割近くの確率で(拡大すると)手ブレ、被写体ブレ(相手が動いてしまう)が生じています。

 

2.広角側は24mmレンズ(35mm換算)

以前もこのブログで書きましたが、28mm、35mm程度の広角では、室内撮影、風景撮影では、もう少し広めの画角がほしくなります。

24mmレンズだと広めに切り取っても、あとでトリミングすれば済む話。

しかし、広角だからといって、その場に突っ立って、シャッターを押すだけでは 撮影とはいえません。

寄ったり、引いたり。

そのためにも、ファインダーが必要なのです。

 

3.価格は5万円以下と割り切る

価格を無視するのであれば、いくらでも素晴らしい機種があります。

参考までに、個人的にほしいと思っているコンパクトデジカメは、RICOH GR III(価格com最低価格97758円)、SIGMA dp3 Quattro(同82935円)ですが、どちらも上記1.2の条件はクリアしていません。

価格も、一眼レフと同じくらいです。ライカなどは、40万円以下で買える製品はありません。

 

 

 

いいものは高いという選択肢を提示するのは、誰でもできるのです。

 

「ファインダー付き 5万円以下」

で検索すると、ほとんど選択肢が絞られますが、今回は以下の2つを選択肢といいかと判断しました。

 

以下にアフェリエイト連動の写真を掲載します。どちらもファインダーが付いているところに注目です。 

この価格帯で、カメラの原点ともいえるファインダーを省略しなかったメーカーの意地に、敬意を表します。

また機会を改めて、違う切り口でのカメラ選びも考えてみます。

 

  

5万円以下・ファインダー付きおすすめカメラ2種

●Lumix DC-TZ95

秒間30コマ連写で撮影している間、被写体の「動き」や「人物の顔」を自動でカメラが検出。

その特徴点を基にマーキングを行うため、再生時には、被写体の動きが捉えられている決定的瞬間がより見つけやすく写真選択をよりスピーディにする。

 

広角24mmから望遠720mmの光学30倍ズーム。

LEICA DC VARIO-ELMARレンズは、その明るさと同時に、レンズ周辺部までの高い解像感を実現。

 

4Kフォトモードは秒間30コマ連写の連続した撮影を実現。

A3相当のサイズまで引き伸ばせる高解像度で、道路脇の草花のまわりを飛び交う蝶々の羽ばたきや、路地裏を歩いている猫のかわいい様子、公園で夢中に遊んでいる子どもの笑顔など、これまでの写真では捉えられなかったような決定的な瞬間を作品として残すことができる(参照 メーカーHP) 

 

 

 ●Nicon COOLPIX A1000

日差しの強い屋外などの明るい場所でも、視認性が高く撮影に集中しやすい電子ビューファインダー(EVF)を搭載。

アイセンサーの採用により、ファインダーを覗き込むと自動的に画像モニターから表示が切り換わる。

 

広角24mm相当から超望遠840mm相当までの光学35倍ズーム。マクロAFを使えば、被写体にレンズ前約1cmまで近づいて、クローズアップ撮影もAFで楽しめる。

 

タッチパネル採用の「3型チルト式画像モニター」は快適なタッチ操作でメニュー操作、タッチ撮影、再生時の画像送りや拡大表示などが可能。ハイアングルやローアングルでの撮影もスムーズ。

 

最大画像サイズ(16M[4608×3456])で約10コマ/秒、約10コマまでの高画質連写を実現(参照 メーカーHP) 

 

 

 この刹那に誠実に向き合う道具

ここでは、あくまで「ファインダー・5万円以下」をキーワードで選んでみました。

驚くことに、この2機種くらいしか見当たらないのです。

今回は、スマホ並みの携帯性を前提としましことをご了承ください。

 

外観が大きく一眼レフに近い見た目のネオ一眼は、5万円前後で購入できる機種もいくつかあります。

 

しかし、重くて大きいので、ここでは除外しています。一眼レフのようで一眼レフではない安っぽさを感じます。

ただ、ファインダーが付いていて、超望縁までズームできる機種が多いので、野鳥などを撮影した人には適しています。

画質はコンパクトデジカメと同じです。

 

私たちは、一眼レフをメインに使っていますが、今回選んだカメラであれば、サブとして携帯できるレベルです。

私はこれらの前に買ったFUJIFILM・XQ1も気に入っています。このカメラにはファインダーはありませんが、ツアイスレベルの記憶色を出してくれます。

 

 

最近は、一眼もミラーレスが増え、ファインダーのない機種が多くなっています。画質は一眼に迫っても、ファインダーのないカメラは、自分のなかではやはり「?」がついてしまいます。

 

機種のレビューなどを見ると、画質について激論が交わされることも多いようですが、昨今のデジカメの画質を語るのは、パナソニックとソニー、東芝のテレビの画質のどれが優れているかを論じるのと同じで、あまり意味をなしません。

 

もっとも、ニコンの味付け、Lumixで採用するライカレンズの味付けなど、メーカーにより個性はありますが、これを論じるのも、どんな鉛筆を使えばいい文章が書けるか、どんな絵の具を使えばいい絵が描けるかといった問題と同じ土俵に思えます。

 

どの機種も安定した絵を出してくれますが、購入後、どうしても仕上がりが気になるのなら、フォトショップやフリーの現像ソフトで、いかようにもタッチを変えることが可能です。

 

どんなカメラを使おうと、基本は、その瞬間を切り取ることです。その瞬間は、二度と来ない時間でもあります。

 

私たちが確かにその瞬間、そこで生きていた記憶を、写真は一緒に抱き続けてくれます。

だからこそ、その刹那に、誠実に向き合いたいと思っています。

 

 

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