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暑さを防ぎ、冷房効果を上げる即効対策。

 

 

 

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日射を遮る暑さ対策

まだ5月だというのに、猛暑の日が続きます。

数週間前まで、暖房がほしいと思うほど肌寒い日が多かったのに、突然の気候変動には驚くばかりです。

 

すでに、日の当たる部屋や2階はエアコンなしでは過ごせないほどの暑さ。その暑さは朝方まで続きます。

 

窓から入る熱は、壁や天井など断熱材のある部位に比べて30倍~50倍になり、家全体の7割前後の熱も窓から入ってきます。

あとの3割は屋根や外壁などからですが(日本建材・住宅設備産業協会 「省エネ建材で快適な家。健康な家」)、いずれも断熱不足が大きな原因であり、日本の住宅は改めて、断熱について検証し、温熱環境を整える必要がありそうです。

 

断熱化が進んだ住宅では、少ないエネルギーで冷暖房することが可能になりますが、夏期など、外部からの日射熱の侵入で室内がオーバーヒートすることもあります。

 

Q値=熱損失係数1.0以下の超高断熱住宅になると、厳寒期でもわずかなエネルギーで全暖房ができますが、逆に、日射でオーバーヒートすることがあります。

断熱性能の向上に伴い、窓からの熱の侵入を防ぐ「日射遮へい」が大きな課題となっているのです。

 

 

エアコンだけでは体感温度は不快なまま

夏を快適過ごすためには、エアコンの稼働がすぐに思い浮かびますが、その前にしなくてはならないことが「室内に日射を入れない」対策です。

 

日射を遮ることを「日射遮へい」といいますが、大半の家では屋内側の障子やカーテンで日除けをしている程度。

しかし、カーテンなどで日射を遮へいしても、カーテンに当たった熱のほとんどは室内に放熱され、眩しさが軽減されるいくらい。

 

窓枠がアルミなど金属の場合は、触れられないほど熱くなり、単板ガラスはそのまま暑い日差しを透過させ、室温の上昇を手助けするだけです。

 

金属製のブラインドも同様です。

ガラスを通ってきた日射に熱せられ、壁の何倍もの暑さになっているはず。ブラインドは内側に設置されることが多いので、せめて熱が伝わりにくい木材などの素材にしたいところです。

 

高熱になったガラス、高熱の窓枠、高熱のカーテンやブラインド。

これらに囲まれた室内は、室内側がストーブで囲まれているも同然で、冷房温度をいくら低く設定しても、体感温度=室内の表面温度+空気の温度)÷2は快適にはなりません。

 

仮に窓・壁・天井などの表面温度の平均が40℃としますと(西側の薄い壁・窓、屋根な度の温度はもっと高い)、エアコンを20℃設定で運転しても(40℃+20℃)÷2で体感温度は30℃のままなのです。

 

朝方まで暑さを感じるのは、いったん熱をもった表面温度がなかなか下がらないからで、高めの温度設定でもエアコンの連続運転が基本となります。

 

エアコンはいったんオフにしてから運転が安定するまでの電力消費がもっとも多く、留守中も連続運転したほうが快適さも向上します。費用対効果はけっして高くないと思われます。

 

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これからは樹脂サッシ+Low-E複層ガラス

窓ガラスの種類によっても、日射遮へいの効果は異なります。

単板ガラスは日射の大半を透過させますが、ガラス表面に熱エネルギーの吸収・再放射率を抑える特殊金属をコーティングしたLow-E複層ガラスにすると遮へい効果は劇的にあがります。

 

同じLow-Eにも遮熱タイプと必要な光は取り入れるが室内の熱を逃がしにくい高断熱タイプがあり、地域性や方位性を考慮して選択します。複層ガラスの中空層にブラインドを組み込んだガラスもあります。 

 

窓枠=サッシには熱伝導率が小さく、熱を伝えにくい樹脂、木製を採用するのが基本です。

 

開口部の断熱基準を厳しく法制化している先進国では樹脂サッシは60%を超える普及状況ですが、日本においての普及はわずか7%(H24.3)。

ちなみに、アメリカ・ニューヨーク州では、熱貫流率1.98(W/m2・K)以上の性能をもつ窓を使うことが義務付けられ、樹脂(または木製)サッシ(Low-E複層ガラス入り)以上の窓でなければ、家を建てることができません(資料 樹脂サッシ工業会)。

 

 

 

 

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断熱性の高い樹脂サッシ。上げ下げ、ドレーキップ、内開き・外開きなど種類も豊富。外側にオーニングを付けることで日射コントロールを可能にする。

 

 

パッシブという古くて新しい設計手法

性能の高い窓に加えて、窓の外側で日射を遮る工夫も欠かせません。

かつての日本家屋では簾(すだれ)やよしずで日除けをし通風していましたが、都市部の住宅でもこれらを使っている光景をよく目にするようになりました。

価格も手ごろで、百均でも売っていますし、ホームセンターではいろんなサイズがあり、数百円から買うことができます。

 

それらで窓を覆うと眺望が確保できないことがデメリットですが、ある程度の眺望を確保しながら日射を遮るには、店舗の店先などでよく見かけるオーニングやブラインドシャッター、ルーバー、日射遮蔽スクリーンなどの方法もあります。

 

なかでもオーニングや日射遮蔽スクリーンは手軽で効果の高い手法として世界的に普及している手法です。

複層ガラスに日射遮蔽スクリーンを設置した場合には、日射の侵入をおおよそ半分程度(約40%以下)までカットすることが可能です(P.V.ソーラーハウス協会)。

 

袖壁も有効です。

もちろん、深い軒や庇も日射遮へいの効果はありますが、高度の低い東や西からの日射遮へいはできません。

この場合、袖壁が東西の高度が低い時間帯に効果を発揮し、周辺の風を取り込むこともできます。特に、春や秋の通風のいい季節は心地いい風を導いてくれます。

 

戸建ての場合は、庭の樹木も日射遮へいに効果があります。

落葉樹は夏期に日射を遮り、冬期には落葉して日差しを導くため、日射の豊富な窓面近くに植えておくと、眺めを楽しみながら、日射のコントロールをしてくれます。

 

庭木や草花はその場で「微気候」をつくります。

風の流れをつくり、それを地窓など低い位置の窓から導いて、屋内に涼を招くという手法で、京都の町家などはこうした工夫を取り入れています。

窓の位置が重要になりますので、設計の善し悪しが大きなポイントです。

 

「パッシブエネルギー」「パッシブソーラー」「パッシブデザイン」などという言葉をよく耳にするになりました。

「パッシブエネルギー」とは太陽光や雨、地中熱、風などの自然エネルギーのこと。

機械の力に頼ることなく自然界のエネルギーを最大限に利用するデザインを「パッシブデザイン」といいます。

 

冬期は日射熱を取得することで屋内に熱を蓄え、暖房エネルギーを削減しなければなりません。

夏期は反対に、日射を取り込みすぎると、冷房エネルギーの負担が増えます。自然エネルギーはおとくにもなりますが、じゃまにもなるのです。

 

窓は方位特性を配慮しながら、通風経路も考慮しなくてはならない扱いの難しい部位です。

暑さも寒さも遮断しながら、眺望の役目も課せられ、ときどき、かわいそうになります。
 

さまざまな対策を取り上げましたが、現在の住宅では夏も冬もエアコンありきで語らなくてはなりません。

住み手による人的な日射遮へいにも、できることとできないことがあり、そこに人が生活する以上、1人あたり100Wの熱が体温から発生しますし、料理や家電からも大量の熱が放出され続けます。

 

住宅の断熱性を高める重要性を書きましたが、性能が向上すると同時に、今後はますます室内にこもる熱の対処が課題となります。そのためにも、やはり省エネ効果の高いエアコンの選択も大切なのですが、その前に、躯体の断熱化です。

 

 

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国産メーカーの樹脂サッシもバリエーションが豊富。引き違いだけにとらわれずに、適材適所、デザインを楽しみながら選択したい。

 

 

 

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まとめ

1.窓の日射遮へいは屋外側で考える。屋内側のカーテンやブラインドは室温を上げるストーブのようになってしまう。


2.新築・リフォームの際には躯体全体の断熱性を向上させるのが基本の基本。


3.エアコンだけでは「体感温度」を快適にできないが、連続運転を基本とする。

エアコンのオン・オフを繰り返すことを避けることで、壁や天井などから放熱される輻射熱を防ぐ効果も期待できる(断熱性によって効果は異なる)。

 

4.Low-E複層ガラスがこれからの住宅のスタンダード。窓だけのリフォームでも効果はある。ガラスの間にアルゴンガス、クリプトンガスなどを充填して、さらに性能を上げた製品も多数。


5.自然エネルギーを最大限に活用する「パッシブデザイン」の応用。簾やよしずを上手に使う。水をかけることで、室内に入る空気を2℃ほど下げることができる。玄関先はこまめな打ち水。

 

6.躯体の断熱性能の向上に伴い、年間を通して屋内にこもる熱の対処が大きな課題になりつつある。四季を通じてエアコンの役割が高まり、省エネ効率を考慮して選びたい。

 

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