// 地震や台風などの災害時、停電が長引くたびに必ず流れるのが「オール電化住宅は災害に弱い」というニュース。停電になったら、調理もできない、冷暖房もストップ、給湯も使えない――というのが理由なのでしょうが、現実には、停電になったら、灯油のファン…
人類が初めてエネルギーとしての【火】を利用するようになったのは、いまから約50万年前のこと。暖かく、煮炊きもできる【火】はやがて、暮らしに欠かせないものとなり、その【火】を雨風から消さないために屋根ができ、囲いが工夫され、家の原型ができまし…
// かつて日本の家は、冠婚葬祭に代表される家族の儀式の舞台でもありました。その舞台は、時代とともに屋外に移りつつあるか消えつつありますが、儀式の痕跡はいまも家のなかに残っています。日常と非日常とを区別し、折々の節目でつくられてきた日本の家と…
// 日本家屋や身近な漆器,食物などが「常に陰翳を基調とし、闇と云ふものと切れない関係にある」と綴った文豪・谷崎潤一郎。数十年前まで、日本人の暮らしのなかに当たり前に存在した「陰翳」に美を発見し、その価値を世界に知らしめた功績は、海外でも高く…
誰かと話をしたいという気持ちの根底には、自分の話を聴いてほしいという願望が潜んでいます。しかし、わずか3分でも、相手から何のコメントもなく、自分の話を聴いてもらったという経験を持つ人はどれくらいいるでしょう。3分間、自分の意見を述べず、徹…
// 断熱というと、日本ではまだ馴染みが薄く、関心も低いまま。国が示す住宅の断熱指標も、先進国のなかでは最低レベルのまま現在に至っています。断熱性能を上げることで夏はより涼しく、冬はより暖かくなるのはもちろん、割安な光熱費で健康的な室内環境を…
// 梅雨の時期から猛暑の夏、寒い冬の間、共働きの家族の場合など、外干しが難しい状況に置かれることは少なくありません。部屋干しするにはそれなりのスペースも必要です。でも、エアコンや扇風機などを上手に使えば、快適な洗濯&室内干しができるかもしれ…
// 風景にデジャビュ=既視感を感じることがあるように、ある音から、突然、遠い記憶が呼び覚まされることがあります。しかし、現代の家のなかで響く音は機械音が増え、人が手間をかけてつくる「音」が少なくなってきました。 Contents. 目を覚ましてくれる…
// キッチンは主婦の城、と呼ばれたのは昔の話。いまや、家族の数だけ、生活スタイルの数だけキッチンのスタイルがあり、男性も子どもも集うスペースとして大切な空間に変化しつあります。いわゆるシステムキッチンも素敵ですが、自分なりのイメージや作業ス…
// 読書の際、気になった文章は2Bの鉛筆で線を引きます。すごい話だ、上手な表現だなあと思った部分が多いときには、ページの端を折ります。ですから、書棚にある本は全てボロ雑巾みたいになってしまいます。読み終えると、線を引いたり、端を折ったページ…
// 日本の家庭内で消費されるエネルギー消費は上昇の一途をたどり、上昇率は国際的にも突出しています。冷暖房や給湯に関わるエネルギーは、さほど増加しているわけではないのに、家電製品や照明などのエネルギーが一向に減少する気配を見せていないのです。…
// 神様がいる。掃除をすると運気が上がる。金運、強運、何でも期待できる。トイレ掃除には、なぜか、スピリチュアルな言葉がついてまわります。それだけアンタッチャブルな空間といえるのかもしれません。トイレに関する、けっして汚くはないお話のあれこれ…
わずかな時間を見つけて向田邦子を読んでいる。昭和4年生まれ。世代が異なる気がしないのは、この人のシナリオによる作品が、子どもの頃からテレビドラマとして身近にあったからだろう。 ノンフィクションから読書の道に入り込んだ自分にとって、シナリオ作…
// 日本の家はこれまで「LDK」に代表されるように居室=Roomを基本に家づくりを考え、Roomの数で家のステイタスを主張してきました。しかし、小間割りにされた居室の数ではなく、大きめの空間=Spaceで家の有り様を想像してみると、縦にも横にもひろがりが生…
// 影はしばしば、私たちが願う方向とは逆に作用し、自我との対決を迫ります。その対決は、生死をかけた過酷な戦いとなることもありますが、それが導きとなり得ることは少なくありません。影のないところに光はなく、光のあるところには必ず影があります。そ…